2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K11260
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
岡田 英孝 関西医科大学, 医学部, 教授 (80330182)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子宮内膜 / 性ステロイドホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
プロゲスチン(黄体ホルモン)は、胚着床ならびに以後の妊娠維持に必要不可欠な性ステロイドホルモンであり、不妊治療において、着床率向上のために黄体ホルモン補充療法が行われている。その標的組織である子宮内膜は、プロゲスチン作用により適切に分化(脱落膜化)して胚受容能を獲得している。脱落膜化の意義を明確するには、プロゲスチンに制御される標的遺伝子の同定とその機能解析が重要となる。ヒト子宮内膜局所で転写因子HAND2(heart and neural crest derivatives expressed 2)が、細胞レベルでどのように機能しているのかを解析した。 患者の同意のもとに採取したヒト子宮内膜組織を、機械的および酵素的に融解して、ヒト子宮内膜間質細胞を分離培養した。HAND2を発現抑制した培養子宮内膜間質細胞にて分子生物学的機能解析を行うために、siRNAによりノックダウン(発現抑制)した細胞を作成した。siRNAを導入した細胞からRNAを抽出・精製し、ゲノムDNAの混入を防ぐためにDNase処理をしたRNAを用いてcDNAを作製してリアルタイムPCRを施行した。その成果として、siRNAがHAND2 mRNAの発現を抑制しているのを確認した。HAND2蛋白の発現抑制については、培養間質細胞を抗HAND2抗体で免疫染色とWestern blot法を行った。間質細胞にHAND2 siRNAを導入することにより、HAND2の蛋白質が抑制していることが確認できた。形態学的変化について、HAND2の発現を抑制した間質細胞を、脱落膜化による紡錘形から類円形への変化が確認できる長期間培養して、光学顕微鏡にて詳細に評価した。HAND2を発現抑制した培養間質細胞の形態は、紡錘形のままであり、HAND2が脱落膜化に関与している知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト子宮内膜でHAND2がどのように制御されているかを細胞・分子生物学的に検討し、そこに関連する因子を同定することを目的としている。 HAND2の抑制した細胞作成に成功して、HAND2が脱落膜化に関わる因子であることを確認しつつあり、計画は順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
HAND2を発現抑制した細胞にて分子生物学的機能解析を行う。着床ならびに妊娠維持に必須のプロゲスチンで誘導されるHAND2という新規転写因子が、ヒト子宮内膜の機能調節に寄与する分子メカニズムを解明にするため、脱落膜化(子宮内膜分化)におけるHAND2の機能を明らかとする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:実験は順調に進んでおり、HAND2発現抑制した細胞を作成することに成功したため、機能解析を行う予定である。そのため、siRNA試薬やELISAキットを購入するために予算を次年度に使用する計画である。
使用計画:次年度はHAND2発現抑制した細胞の機能解析を行う予定である。そのため、siRNA試薬やELISAキットを購入するために予算を次年度に使用する計画である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 転写因子HAND2によるヒト子宮内膜機能調節機構の解明2017
Author(s)
村田 紘未, 小林 真以子, 木戸 健陽, 木田 尚子, 松本 みお, 岡野 友美, 吉田 彩, 久松 洋司, 小野 淑子, 岡田 園子, 都築 朋子, 岡田 英孝
Organizer
第62回日本生殖医学会
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