2019 Fiscal Year Annual Research Report
Aiming to applying to gene therapy for peritoneal dissemination of ovarian cancer
Project/Area Number |
17K11263
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
横山 良仁 弘前大学, 医学研究科, 教授 (90261453)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Carbonyl reductase 1 DNA / 卵巣癌 / 人工ヒト腹膜組織 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
Carbonyl reductase 1 (CR1)-DNAを導入して強発現させたHRA細胞(ヒト漿液性卵巣癌細胞),CR1-siRNA導入によって発現を低下させたHRA細胞,無処理のコントロールHRA細胞の3種類を人工ヒト腹膜組織(AHP)に播種させ,癌性腹膜炎形成までの過程を6,24,48,72時間後と経時的に観察した.TUNEL法,電子顕微鏡を用いコントロール群,CR1-DNA導入群,CR1-siRNA群のAHP上のアポトーシス細胞を比較した.6時間後では,コントロール群,CR1-DNA導入群,CR1-siRNA群いずれも癌細胞の中皮への接着には差を認めなかった.24時間以降では中皮下に侵入した後の細胞増殖が,CR1-DNA導入群では他の2群に比べて有意に抑制されていた.48時間後では,CR1-siRNA群で細胞増殖が有意に亢進しており,72時間後ではCR1-siRNA群で癌細胞の間質への浸潤を認めた.TUNEL法では,CR1-DNA導入群で有意なアポトーシス細胞の増加を認め,電子顕微鏡でアポトーシス小体が確認された.フローサイトメトリーでは,CR1-DNA導入群でアポトーシス細胞の有意な増加が確認された.また,CR1-siRNA群ではKi-67陽性細胞が有意に発現していた.caspase-3はCR1-DNA導入群で発現が増加しCR1-siRNA群では発現が低下していた.CR1を強発現,発現低下させても卵巣癌細胞はいずれも中皮への接着には影響しなかったが,CR1発現の程度は中皮下での増殖,浸潤に作用していた.CR1を強発現させると細胞増殖は抑制され,CR1を発現低下させると細胞増殖は亢進され間質への浸潤も認めた.CR1の腫瘍抑制効果にはアポトーシスが関与していることが今回の結果から示唆された.またCR1発現低下群では腫瘍増殖能の亢進も獲得していると考えられた.
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Research Products
(3 results)