2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the signals induced by the variant isoforms of TrkB expressed on ovarian clear cell adenocarcinoma
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17K11298
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
後藤 優美子 東海大学, 医学部, 助教 (50624574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀谷 美恵 東海大学, 医学部, 准教授 (50338787)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 明細胞腺癌 / 神経栄養因子受容体TrkB / アイソフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 神経栄養因子受容体TrkBの3つのアイソフォームを識別できるようにリアルタイムPCR用のプライマーを設計し、卵巣癌の4つの組織型(漿液性腺癌、類内膜腺癌、粘液性腺癌、明細胞腺癌)の各少数例でアイソフォーム発現の検討を行った。現在までの検討の範囲内ではTrkBアイソフォームの構成の症例組織型による相違は明らかではない。 (2) 20種の細胞株(卵巣癌明細胞腺癌12株、その他卵巣癌5株、神経芽細胞腫1株、その他2株)についても同様にqRT-PCRによるアイソフォーム検索を行なうと同時に、細胞増殖アッセイを行なった。明細胞腺癌細胞株において、3パターンのTrkBアイソフォームの発現構成がみられた。3つのアイソフォームをすべて発現するもの、完全長型以外の2つのドミナントネガティブアイソフォームだけを発現するもの、ドミナントネガティブのいずれかのみを発現するものの3パターンである。また、明細胞腺癌細胞株から3つのアイソフォーム発現パターンについてそれぞれ2株ずつ選択し、抗癌剤添加下に細胞増殖アッセイにおこなったところ、完全長型アイソフォームを発現している細胞株では細胞増殖能が高い傾向がみられた。 (3) 卵巣癌手術検体組織マイクロアレイ(明細胞腺癌約40例)での免疫組織化学的検討をめざし、TrkBの3つのアイソフォームを認識する抗体、TrkBの完全長型を認識する抗体、汎Trk抗体の3抗体の信頼性、有用性を確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織を用いた研究については、卵巣癌組織検体を用いた免疫染色およびqRT-PCRを数例ずつ行ない、抗体およびプライマーの有効性を確認した。進捗状況としては、当初の初年度の予定より遅れているが、検体・抗体・プライマーが準備できているため本年度、比較的早期に初年度の予定を実施できる見込みである。 細胞株を用いた研究については、概ね初年度の予定を実施した。また、TrkBベクターを導入前の細胞株で抗癌剤添加実験を行なっており、3年目の予定を一部実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 平成30年度の予定 組織を用いた研究については、卵巣明細胞腺癌約40例について免疫染色およびqRT-PCRを行い、発現するTrkBアイソフォームを確認する。また、他の3つの組織型についても10例ずつ程度、同様の実験を実施する。そのうえで、組織型やTrkBアイソフォーム発現パターンによって、病期、再発の有無、抗癌剤耐性の有無などの臨床的特性に相違がみられるか、関連性を分析する。 細胞株を用いた研究については、3つのTrkBアイソフォームについて市販のベクターを入手しており、2年目の予定どおり明細胞腺癌細胞株に完全長型のベクターを導入し、3年目の予定であった細胞増殖能、抗癌剤耐性に変化がみられるかを分析する。一方で、2年目の予定であるTrkBシグナル解析を明細胞腺癌細胞株を用いて行う。 (2) 平成31年度の予定 細胞株を用いた研究では、明細胞腺癌細胞株を用いて、TrkB機能解析としてTrkB阻害剤およびリガンドであるBDNF(脳由来神経栄養因子)の添加実験を行う。また、上皮間葉転換(EMT)に関してTwist/Snail系の活性化や細胞移動能について分析する。
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Causes of Carryover |
(1)繰越金が発生した理由 研究代表者が平成29年度途中より海外研究留学中のため繰越金が発生した。研究分担者と連携しながら研究は継続されている。 (2)次年度の使用計画 研究代表者が平成30年度に帰国予定であり、帰国後に平成30年度請求分+繰越金を前述の推進計画に沿って計画的に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)