2018 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸癌におけるイトラコナゾールの抗腫瘍効果解析及びレスポンダーの同定
Project/Area Number |
17K11306
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
井上 佳代 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80594754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍔本 浩志 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80340975)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リポジショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸癌由来 CaSki 細胞(PIK3CA及びsonic hedgehog 遺伝子変異)の増殖抑制効果はAkt、Hedgehog、Wnt/β-cateninの複数のシグナル伝達系の抑制を介していることを確認した(Ueda, Tsubamoto, Inoue, Anticancer Res. 2017)。子宮頸癌細胞株を用いた基礎検討で、イトラコナゾールにより細胞内脂質輸送障害が生じること、細胞膜 lipid raft の抽出により細胞膜上のRTKが変動することを確認した(Unpublished)。臨床研究は、2015年よりイトラコナゾールを主治療開始前の短期間(window period)内服投与しバイオマーカーや作用機序を探索するwindow of opportunity試験(UMIN000018388)を実施し、2019/4~特定臨床研究 jRCTs051190006 へ移行した。2019年3月までにイトラコナゾールが投与された子宮頸癌患者において投与1週間後に性器出血が減少し、内診による視診あるいは経腟超音波検査などの画像所見で腫瘍縮小を認めた。稀症例である腟悪性黒色腫については組織mRNAマイクロアレイ解析により新規治療ターゲット候補4分子を報告した(Inoue, BMC Cancer, 2018)。これまで多様な抗腫瘍効果が報告されてきたがイトラコナゾールの作用機序はまだ解明されておらず、バイオマーカーも同定されていなかったが、これらの研究により、リポジショニングを応用した新規薬剤開発やコンパニオン診断開発による治療薬開発が進むと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画通り、基礎研究及び臨床研究は進んでおり、後者は2019/4月から特定臨床研究 jRCTs051190006 へ移行した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019/4月から特定臨床研究 jRCTs051190006 へ移行した、頸癌患者から経時的に得られた末梢血(DNA及びRNA抽出保存)及び腫瘍組織(病理検体提出及びRNAse処理後凍結保存)を試料として用いて、IHC、cDNA microarray、リン酸化蛋白解析、脂質メディエーター解析など研究予定である。
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Causes of Carryover |
予定より試薬が安価であったため、次年度に継続使用予定である。
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Research Products
(1 results)