2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of cervical cancer microenvirnment - aiming to supress cancer cell behavir affected by stromal cells
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17K11307
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
村田 卓也 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20714207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 隆文 川崎医科大学, 医学部, 教授 (20303969)
下屋 浩一郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40291950)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん関連線維芽細胞 / 子宮頸がん / リンパ節転移 / ヌードマウス皮下移植 / 蛍光イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、我々はヌードマウスの皮下移植系において子宮頸癌培養細胞ME180をリンパ節転移させる能力(転移付与能)を有している子宮頸がん関連線維芽細胞CCF-1を分離した。この転移付与能の機序を明らかにするため、CCF-1とは別の、転移付与能を確認できなかった、別の患者さんから分離した子宮頸がん関連線維芽細胞であるNCAF-1およびCII、正常子宮の頸部から分離した線維芽細胞NOF-1、の4種類の線維芽細胞について1細胞遺伝子発現解析を行い比較検討した。その結果、転移付与能を持つCCF-1のみが他の線維芽細胞と異なる遺伝子発現パターンを示した。そしてCCF-1を特徴づけている遺伝子群として86遺伝子が示された。最近の報告により、がん関連線維芽細胞には、不均一性があり、あるクローンががんの悪性化に関与していることが明らかとなっている(Cell,172,841-856,2018)。CCF-1は、がん細胞を転移させる能力を有したクローン集団である可能性が高く、その視点から新たながん治療の分子標的を見つけるべく今後解析予定である。また、がん関連線維芽細胞には、突然変異がないことが支配的な認識となっている。転移付与能を有するCCF-1についても突然変異がないかどうかを明らかにするため、CCF-1、CII、別の正常子宮から分離した線維芽細胞Fについてゲノム解析を行い比較検討した。その結果、P53タンパク遺伝子にも変異は認められず、それ以外にもCCF-1およびCIIに特異的な突然変異はみつけることができなかった。こうしたことから、がん関連線維芽細胞はがん細胞やその微小環境内でエピジェネティックな変化を経るか、もしくは別の場所で遺伝子発現変化を起こし、そのクローンががん微小環境に移動してがん細胞の悪性性質の発現に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前倒し請求の理由となったゲノム解析が完了し、現在解析中である。また、一細胞遺伝子解析を行い、転移付与能を有するCCF-1に特徴的な遺伝子発現パターンを発見することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
転移付与能をもったCCF-1の一細胞遺伝子解析で明らかになった86遺伝子の意義を解析する。複数の遺伝子を調節する因子として特異的な転写因子やエンハンサーが考えられる。CAGE解析を行い、網羅的にRNA発現解析を行うことで、86遺伝子の発現をその上流で調節する因子探索し、CCF-1がもつ転移付与能の機序を解明する。
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Causes of Carryover |
ゲノム解析のために1,000,000円の前倒し請求を行ったが、余裕をもって請求したため、次年度使用額が生じた。次年度使用額はヌードマウスを購入するために使用する。
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Research Products
(2 results)