2017 Fiscal Year Research-status Report
メカノトランスダクション欠損マウスを用いたゲンタマイシンの耳毒性発生機序の解明
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17K11315
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川島 慶之 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10376759)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 内耳有毛細胞 / TMC1 / TMC2 / アミノグリコシド系抗菌薬 / 機械電気変換イオンチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの報告では、全身投与したアミノグリコシド系抗菌薬の有毛細胞への主要な進入経路の候補として、メカノトランスダクションチャネルの他にエンドサイトーシスが挙げられている。 メカノトランスダクション欠損モデルマウスであるTmc1;Tmc2ダブルノックアウトマウスへアミノグリコシド系抗菌薬を全身投与すると、Tmc1;Tmc2ダブルノックアウトマウスの有毛細胞へのアミノグリコシドへの取り込みは減少していた。この理由としてメカノトランスダクションチャネル経由の取り込みがないことが考えられたが、他に、Tmc1;Tmc2ダブルノックアウトマウスの有毛細胞ではエンドサイトーシスの機能も低下している可能性が考えられた。 そこで、エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれる蛍光マーカーであるpHrode Green Dextranを用いてTmc1;Tmc2ダブルノックアウトマウスの有毛細胞のエンドサイトーシスの働きを確認した。野生型マウスおよびTmc1;Tmc2ダブルノックアウトマウスの培養蝸牛をエンドサイトーシスが機能しない4℃、またはエンドサイトーシスが機能する37℃でpHrode Green Dextranを含んだ培養液中で培養した。その結果、Tmc1;Tmc2ダブルノックアウトマウスの有毛細胞のエンドサイトーシスは野生型に比較しやや機能低下がある可能性が示唆された。 現在は、Tmc1;Tmc2ダブルノックアウトマウスの有毛細胞におけるエンドサイトーシスの働きをより精確に調べるために、透過型電子顕微鏡を用いた有毛細胞へのフェリチンの取り込みの観察実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験を進めて行く過程で、新たな問題点に気付き、追加実験が必要になった。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」で示した問題点が明らかにした後に、当初の計画に従い研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進める過程で生じた新たな問題のために、当初予定していた研究がやや遅れており、物品の購入も遅れているため。
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