2019 Fiscal Year Research-status Report
メカノトランスダクション欠損マウスを用いたゲンタマイシンの耳毒性発生機序の解明
Project/Area Number |
17K11315
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川島 慶之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10376759)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 内耳有毛細胞 / TMC1 / TMC2 / アミノグリコシド系抗菌薬 / 機械電気変換イオンチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
メカノトランスダクション(以下、MET)チャネル欠損マウスを用いて、アミノグリコシド系抗菌薬のin vivoでの内有毛細胞への進入経路を明らかにする研究を行っている。MET欠損モデルマウスであるTmc1;Tmc2ダブルノックアウト(Tmc1Δ;Tmc2Δ)マウスと野生型マウスにアミノグリコシド系抗菌薬を全身投与すると、Tmc1Δ;Tmc2Δの有毛細胞に取り込まれるアミノグリコシドは野生型の有毛細胞に取り込まれるアミノグリコシドに比べ、有意に少ないことがあきらかになった。これは、全身投与されたアミノグリコシド系抗菌薬のマウス有毛細胞への主な進入経路がメカノ トランスダクションであることを反映しているものと考えられた。既報告においては、全身投与されたアミノグリコシド系抗菌薬のマウス有毛細胞への 主な進入経路はMETチャネルではなくエンドサイトーシスであるとする報告がある。そこで、Tmc1;Tmc2ダブルノックアウトマウスの有毛細胞におけるエンドサイトーシスが正常に機能しているか確認した。エンドサイトーシスにより有毛細胞内に取り込まれること知られているフェリチンの取り込みにつき、走査型電子顕微鏡を用いて確認し たところ、野生型とTmc1Δ;Tmc2Δマウスで明らかな差を認めなかった。以上の結果より、Tmc1Δ;Tmc2Δマウスのエンドサイトー シスは野生型と同様に機能しており、Tmc1;Tmc2ダブルノックアウトマウスの有毛細胞がアミノグリコシドを取り込まなかった理由は、METチャネルの欠損自体にあると考えられた。現在、METチャネルを発現する有毛細胞がモザイク状に発現するBACトランスジェニックマウスを用い、METチャネルの有無により、同一個体内でアミノグリコシドの取込がどの様に異なるか検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
論文投稿後、査読者から受けた問題点を解決するため追加実験を実施している。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験手法をわずかに変更することにより、査読者から受けた問題点を解決できることがわかり、データを収集している。
|
Causes of Carryover |
実験にやや遅れが生じており、それに伴い、必要な薬品の購入なども遅れているため。
|