2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cortical hemodynamic activity during vestibular stimulation recorded by a near-infrared spectroscopy
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17K11320
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
將積 日出夫 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (60187507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 大匡 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (50345576)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | めまい / 大脳皮質 / 近赤外線スペクトロスコピー / 視覚 / 前庭覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々人体の直立姿勢と運動は、視覚系、迷路前庭系、体性感覚系からの情報入力が小脳・脳幹を中心とした中枢神経系で統合・制御され、眼球・頸部・四肢・躯幹などの運動器に出力され、姿勢と運動が円滑にフィードバックされる反射機構の下に維持されている。めまいは、3種類の情報入力の不一致から生じる空間識の異常としてとらえた平衡障害を自覚する全身的仮性運動感覚(水越, 1988)であり、大脳頭頂葉・側頭葉皮質が関与していると考えられており(Brandt, 2003)、迷路前庭覚の情報処理に関係する大脳皮質は、内側上側頭回、腹側頭頂内野、側頭頭頂接合部、後部頭頂皮質、体性感覚皮質、海馬であることが知られてきた。これらの研究にはfMRI、PET、MEGが用いられてきたが、視覚と回転刺激による迷路前庭系の不一致により生ずるめまい制御大脳皮質についてはは検査機器の制限から解明することができなかった。そこで今回の研究では、携帯型近赤外線スペクトロスコピー(fNIRS)装置を用いて、回転刺激中に視覚刺激を負荷して迷路前庭系と視覚系の感覚不一致によるめまいを誘発し、大脳皮質での血行動態を検討した。 14人の健常右利き男性を対象とした。回転椅子と円筒状投射スクリーンから構成された視覚―迷路前庭覚刺激装置を用いた。視覚刺激は、円筒状投射スクリーンに白黒の縦縞を投射して、静止(感覚一致刺激)もしくは回転椅子の方向と同方向の移動(感覚不一致刺激)を行った。 感覚不一致刺激では、一次体性感覚皮質、内側上側頭回、側頭葉頭頂接合部に有意な賦活化が認められた。めまいは感覚不一致刺激で強く、めまいの強さは頭頂間溝に隣接する縁上回背側部の活動に有意な負の相関関係があることが明らかとなった。その結果、同部位の活動がめまい生成に重要であることを初めて明らかとした。
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