2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of intratympanic steroid injection for peripheral facial palsy
Project/Area Number |
17K11347
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
金丸 眞一 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 神経・感覚運動器研究部, 研究主幹 (00271510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 理絵 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 神経・感覚運動器研究部, 主任研究員 (30574008)
坂本 達則 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第5研究部, 主任研究員 (60425626) [Withdrawn]
三輪 徹 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 神経・感覚運動器研究部, 研究員 (70535591)
中村 達雄 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (70227908) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 顔面神経麻痺 / ステロイド鼓室内投与 / 頭位変換 / ステロイド力価 / ステロイド半減期 / 膝神経節 / 蜂巣骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ベル麻痺、ハント症候群などの末梢性顔面神経麻痺の保存的治療法の開発を目的に、より効果的なステロイド鼓室内投与法の検討を行っている。ステロイド鼓室内投与は一定の効果があるという報告がなされているが、上記疾患での顔面神経麻痺の発症機序は、顔面神経膝神経節に潜在感染したウイルスが何らかのトリガーにより再活性し、顔面神経の浮腫による絞扼が発症するためと考えられている。現存の治療法としての問題点は以下の通りである。 1)保存的治療であるステロイド全身投与は、副作用が大きい 2)手術加療としての顔面神経減荷術は、侵襲が大きいわりに効果のエビデンスがない これに対し我々は、ステロイド鼓室内投与を行い、投与したステロイドが最も浮腫の影響を受けていると考えられる顔面神経膝神経節付近に効果的に到達する体位の検討を行った。Cadaverを用いた経鼓膜的色素投与により、投与後の適切な頭位変換を見出した。その後、経鼓膜的ステロイド投与と頭位変換を組み合わせた臨床試験は、これまでの全身投与だけの治療よりも良好な結果を得た。一方、中耳腔内の容積は小さいため、経鼓膜的に耳内に1度に投与できるステロイドの量が、高々0.5ml程度であることから、さらに十分な効果を得るために、半減期が長く(36~72時間)力価の強いデキサメタゾンを選択した。これは、鼓室内投与されたデキサメタゾンは、頭位変換により膝神経節付近の蜂巣骨内に一定期間とどまるため、7日間連続投与により相加効果が期待できるからである。このような考えのもとに臨床試験を継続中である。
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