2017 Fiscal Year Research-status Report
SEMA4D-TSLP相互作用に着目した好酸球性副鼻腔炎病態解明
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17K11359
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 陽平 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00636483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
端山 昌樹 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70756048)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / セマフォリン |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎(以下ECRS)は従来型の感染遷延型の副鼻腔炎と異なり、成人発症で嗅覚障害、鼻茸(polyp)のための鼻閉と粘稠な鼻汁を示す難治性副鼻腔炎である。セマフォリンはファミリー分子であり、その中でもClassⅣセマフォリンの一種であるSEMA4Dは免疫系の作用が最初に発見されたセマフォリンである。上皮系サイトカインの一種であるTSLPの関連に着目して研究を進めている。 可溶型SEMA4Dは通常は血清中には検出されないが、患者血清においてELISA法で測定すると、sSEMA4Dが上昇しており、さらにこれはpolypの程度と相関していた。これは予備実験でも確認されていたが、これを症例数を増やし検討し、やはり同様の結果を得た。さらに、患者鼻茸においてフローサイトメトリー法を用いて好酸球上のSEMA4Dの発現を検討したところ、予備実験と同様にTSLPによる発現低下を認めた。 TSLPは上皮由来のサイトカインであり、上皮にAlarminが作用することで上皮から放出されることが知られている。リコンビナントSEMA4Dを気道上皮の細胞株であるBEAS-2Bに作用させたところ、その上清でTSLPを同定した。(isotype IgGの刺激ではTSLPは認めず) また、SEMA4Dのファミリー分子であるSEMA4Aを上皮細胞に作用させ、RNA-seqで検討を行ったところ、MMP1、MMP10の遺伝子発現上昇を認めた。MMPは気道リモデリングとの関連が示唆されているため、これに関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SEMA4D受容体を検討している段階でおそらくはテクニカルな問題でノックダウン細胞を得ることがなかなか出来ていない。今後細胞を変更するなどして検討予定。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画書に沿って実験を進めるとともに、SEMA4Aについても並行して実験する予定。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れているため。
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Research Products
(1 results)