2017 Fiscal Year Research-status Report
スギ花粉症に対する経リンパ節免疫療法の実現に向けてー作用メカニズム解析を中心にー
Project/Area Number |
17K11370
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
寺田 哲也 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (60343670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈邉 健 摂南大学, 薬学部, 教授 (40228078)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スギ花粉症 / 免疫療法 / 経リンパ節投与 / 単球 / IL-10 |
Outline of Annual Research Achievements |
スギ花粉症患者に対し、少量の抗原エキスをリンパ節に投与する経リンパ節免疫療法を施行し、その効果と作用発現メカニズムを検討することを目的とした。スギ花粉症ボランティア18名を対象とし二重盲検プラセボ対象試験を行い、4週間に1回の割合で合計3回の経リンパ節投与を施行した。実薬群はスギ花粉治療用エキス20 JAU 0.1 mlを、プラセボ群では同容量の生理食塩水を鼠径部の表在リンパ節にエコーガイド下に投与した。経リンパ節投与前、投与後4週(スギ花粉症飛散前)、投与後13週(スギ花粉飛散終了後)、投与後半年、1年後のそれぞれに治療効果アンケート、鼻粘膜抗原誘発テスト、血清中抗体価、PBMCを用いたT細胞、B細胞、単球系解析、花粉症シーズン中の花粉症日記記載を施行した。 これまで、経リンパ節免疫療法の有効性を臨床的に確認していたが、本年度はその効果の持続期間、および効果発現メカニズムとしてのPBMC中の単球の役割にフォーカスを当てて研究した。 PBMCを用いたFACS解析にてIL-10-producing T cellと単球系細胞がプラセボ群に比較してILIT群では上昇する傾向を認めた。少量の抗原投与を3回施行するスギ花粉症に対する経リンパ節免疫療法において重篤な副反応は認めず、一定の効果を認め、その効果は3年後も持続していた。T細胞からのIL-10の産生亢進、または単球系細胞の増加がILITの効果発現メカニズムである可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究で得たデータと検体の解析を順調に施行し、研究を継続しながら、国際学会での発表と論文作成も同時に行えており順調に進展していると考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
末梢血中単核球を用いての検討の継続と、臨床的には至適投与量、投与期間などの検討に進めていく予定である。 あくまで、目標は臨床応用であり、解析も重要であるが、いかに臨床に還元できるかを中心に推進していく予定である。
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