2018 Fiscal Year Research-status Report
スギ花粉症に対する経リンパ節免疫療法の実現に向けてー作用メカニズム解析を中心にー
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17K11370
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
寺田 哲也 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (60343670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈邉 健 摂南大学, 薬学部, 教授 (40228078)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スギ花粉症 / 免疫療法 / IL-10 / 制御性T細胞 / IgG4抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗原特異的免疫療法におけるBreg細胞ならびに制御性の単球系細胞の変動、IL-10転写因子の遺伝子変動を解析した。 スギ花粉飛散期終了後に健常人、スギ花粉症患者およびSCITを5年以上施行したスギ花粉症患者より血液を採取し血清中スギ特異的抗体を測定した。末梢血単核球(PBMC)を比重遠心法により採取し、Cry j 1で刺激後、flow cytometryにより、Breg細胞 (IL-10+ CD19+細胞) および制御性の単球系細胞 (IL-10+ CD14+細胞) を測定した。また、IL-10転写因子E4BP4、c-maf、Egr-2およびFoxp3のmRNAを、リアルタイムPCR法により定量した。SCIT施行群では、スギ花粉症群に比較し抗原特異的IgE抗体が有意に低値を、抗原特異的IgG4抗体が有意に高値を示した。SCIT施行群では、PBMC中のBreg細胞が有意に高値を示しPBMC中のBreg細胞の割合と血清中の抗原特異的IgG4抗体の間に正の相関を認めた。制御性の単球系細胞は、花粉症患者群とSCIT施行群の間で差は認められなかった。IL-10転写因子としてE4BP4 mRNA量はSCIT施行群で有意に強い発現が認められた。 Breg細胞ならびにE4BP4は、SCITの効果発現機序に関与する可能性が示唆された。 今後免疫療法の臨床的効果との相関関係を解析し、効果発現に関与するパラメーターを検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スギ花粉症シーズン中に臨床的効果の解析を施行し、スギ花粉飛散終了後に検体を採取し、各種解析を施行している。本研究施行期間中のスギ花粉症シーズンに合わせて研究を計画し、順調に研究は進んでいる。解析作業が少し遅れているもののおおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
スギ花粉症に対する免疫療法のメカニズム解析は順調に進んでいるが、臨床的効果発現との相関に関する解析がまだできていない。免疫療法に対するresponderとnon-responderの見極めに繋がる、臨床的効果との相関関係を解析していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究はおおむね順調に進んでいるが、研究最終年度の本年もスギ花粉飛散シーズン後に検体の採取、臨床的効果などの検討を予定し、現在進行中である。最終年度にも研究費が必要であり、また、国際学会での発表予定もあり渡航費用が必要で、次年度使用額が生じた。
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