2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical efficacy of Intralymphatic Immunotherapy on Japanese cedar pollinosis
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17K11370
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
寺田 哲也 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (60343670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈邉 健 摂南大学, 薬学部, 教授 (40228078)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スギ花粉症 / 経リンパ節免疫療法 / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
罹患率が30%にも及ぶスギ花粉症に対する根治療法になりうる免疫療法として、皮下ならびに舌下免疫療法が行われている。しかし、これらの免疫療法の施行率は低く、通院回数、抗原投与回数(投与抗原量)が多く、免疫療法の治療効果発現メカニズムが不明確であることがその理由として挙げられる。直接リンパ節に抗原を投与する経リンパ節免疫療法は、皮下免疫療法や舌下免疫療法に比較して、通院回数や抗原投与回数(投与抗原量)を劇的に減少させることが可能であり、患者の負担の軽減ならびに医療費の削減を可能とする新規の免疫療法になりうる。 スギ花粉症に対する経リンパ節免疫療法の有効性と発現メカニズムの解析を目的とし、下記の事項を検討した。(1)経リンパ節免疫療法の有効性と安全性(2)経リンパ節免疫療法により末梢血中に制御性白血球が誘導されるか否かの検討。(3)投与局所のリンパ節内の免疫環境の変化に着目し経リンパ節免疫療法の機序を解明。 スギ花粉症に対する経リンパ節免疫療法は、3回の抗原投与にて効果を認め、その効果は少なくとも3年間持続することが確認された。有意な有害事象も認めず、今後の新たな治療手段になりうる可能性を確認した。 皮下免疫療法では断片化されたsmall fractionのみがリンパ節に到達するのに比較し、経リンパ節免疫療法では抗原のすべてがリンパ節に投与されるためその効果が増大するのかもしれない。今後、経リンパ節投与された抗原がどのように免疫応答を修飾していくのか、などについて更なる検討を行う予定である。
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