2017 Fiscal Year Research-status Report
ハイドロゲル埋め込み電極を用いた治療的電気刺激による嚥下障害治療モデルの開発
Project/Area Number |
17K11373
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 武則 東北大学, 大学病院, 講師 (50375060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 健吾 東北大学, 大学病院, 助教 (40455788)
香取 幸夫 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20261620)
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 特任准教授 (10447162)
川口 奉洋 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (10723447)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経筋電気刺激 / 埋込み電極 / 嚥下障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、嚥下障害の主たる治療法は嚥下機能訓練である。しかし、脳血管障害急性期では意識障害のため、高齢者では認知機能障害のため、十分な訓練が出来ない事が少なくない。神経筋電気刺激は意識状態や認知機能、全身状態によらず実施できる有用な治療法であるが、従来の体表電極を用いた方法では主として体表の知覚神経や浅層の筋肉が刺激され、舌骨上筋群に代表される嚥下関連筋を十分に刺激することは困難である。しかし、生体親和性の高いハイドロゲルを用いた埋込み電極を用いて舌骨上筋群を直接刺激することにより、従来の体表電極を用いた神経筋電気刺激を越える治療成績が得られる可能性がある。 ハイドロゲル埋込み電極を用いた嚥下関連筋に対する神経筋電気刺激の有効性を検証するために、小動物実験モデルとしてラットを選択した。ラットの舌骨上筋群のうち、電極埋込に適した筋を検証した結果、形態的に顎二腹筋前腹が適していることが判明した。ラットの顎二腹筋前腹にゲル電極を固定して1-4週間電極の埋め込み実験を行なった結果、局所感染、肉芽形成、電極位置のずれ、ラット自身によるリード線離断等の問題が生じた。ゲル電極の形状と電極の位置を最適化し、電極で顎二腹筋を全周性に覆い、リード線を後頭部から体表に導出することにより、電極の固定性が良く、リード破損や感染、肉芽形成が生じないことが判明した。 この実験系を用いて、現在筋の電気刺激条件の最適化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電極の埋め込み部位、電極の形態等の最適化は予定通り達成した。しかし、電気刺激条件の最適化が十分ではない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行なっている電気刺激条件の最適化を完了する。 その後、両側の顎二腹筋前腹に電極を埋め込み、片側の電極のみ2-4週間電気刺激を加える。その後、両側の顎二腹筋前腹を摘出し、組織学的に検討を加えることで神経電気刺激による筋肥大効果と筋損傷等の有害事象の検証を行なう。 その後、嚥下障害モデルラットを用いて同様の神経筋電気刺激実験を実施し、電気刺激の前後の嚥下機能を嚥下造影等で評価する。それにより、電気刺激が単に嚥下関連筋の筋肥大効果に留まらず、嚥下機能の改善効果が得られるかを検証する。
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