2018 Fiscal Year Research-status Report
HPV関連癌に対する新規樹状細胞ワクチン治療の有効性の検証
Project/Area Number |
17K11392
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
上原 貴行 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (00644402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 太郎 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00754409)
近藤 俊輔 琉球大学, 医学部附属病院, 医員 (90596363)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 樹状細胞ワクチン / 頭頸部癌 / ヒト乳頭腫ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、近年注目されているヒトパピローマウイルス(HPV)関連頭頸部癌に対する新たな治療戦略として樹状細胞(Dendritic cell; 以下DC)免疫ワクチン治療の開発を目的とした研究を行っている。抗原特異的なDCワクチンを作製するために、細胞性免疫応答(主として細胞障害性Tリンパ球;CTLによる)を規定する重要な因子であるヒト適合抗原(以下HLA)として日本人に最多のHLA A*2402陽性者を対象に、適合する血液ドナーを探索し、現在まで目的とする適合者として健常ボランティア2例(全7例中)を抽出した。In vitro下のDCワクチンの作製方法として、Miltenyi社の磁気ビーズを用いたPositive selection法により、CD14陽性細胞およびCD8陽性細胞(CTL分画)の分離を行い、CD14陽性細胞においては、IL-4/GM-CSFやその他各種サイトカイン(TNFα,IL-1β,IL-6,PGE2)を用いて維持培養しDCへの分化・成熟化を誘導した。また、Jangらが報告したHPVE6,E7蛋白のうちHLA A24拘束性を有するペプチド(計6種)を合成し、これを各々DCに曝露することで抗原特異的DCワクチンを作製した。現在継続して、本DCワクチンを当科にて所有しているHLA A*2402陽性頭頸部癌細胞株(HSC4細胞)にCTLとともに混合培養し、細胞障害性試験での解析を行っている。また、今後これらをin vivoや臨床研究へ継続していくことを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在HLAA*2402陽性の頭頸部癌細胞株であるHSC4細胞に対し、in vitro下に各種のペプチド抗原で刺激した特異的樹状細胞(DC)を作製し併せてCTL(CD8陽性T細胞)を共培養し、HSC4細胞に対する細胞障害活性・腫瘍増殖抑制効果を検討している。当初はDCとCD8陽性細胞を別途で同時にHSC4細胞へ曝露、共培養して行っていたが有効性は認められなかった。そのため、あらかじめDC細胞の抗原提示、成熟化培養に併せてCD8陽性細胞を共培養しておき、抗原特異的なCTLを増殖させ、これを癌細胞(HSC4細胞)に曝露したうえでの細胞障害性試験での検討をする旨実験プロトコールの変更を行い検討を行った。その結果、HPV関連癌におけるHPVE6,E7の各癌遺伝子産物中、HLA*A2402拘束性ペプチドとして6種類の配列につき検討した結果、細胞障害性試験(Cytotoxic assay)において、E6(49-57)およびE6(98-106)の2種のペプチド刺激下においてCTLによるHSC4細胞での細胞障害活性が示唆される結果となった。現在、さらに再現性などをみて検証を加えているため、当初より研究に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記細胞障害性試験で有意性が確認されれば、免疫不全マウスを使用し上記癌細胞株を皮下に移植したモデルを作製し、動物実験における有効性についても検討したいと考えている。 また、in vitro下においては特異的CTLの曝露に併せて、PD-L1抗体薬などを併用することで細胞障害活性を増強させることができるか否かについての検討も予定している。
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Causes of Carryover |
試薬購入等で使用した物品費使用目的の直接経費に若干の残額が生じたため、次年度の物品費、試薬購入に計上して使用する予定である。
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