2017 Fiscal Year Research-status Report
組織工学的手法を用いた新規人工気管の開発と生理的気管上皮再生機序の解明
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17K11393
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
多田 靖宏 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70363760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 俊明 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (50301297)
川瀬 友貴 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10761968)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / 人工材料 / 気管再建 / 気管上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
Neo artificial trachea with vitrigel(NATV)の開発を行った。研究実施計画に記載した人工気管の軟骨に該当する硬性構造にハイドロキシアパタイトを用いる方法について検討した。当初アーチ状に形成し4-5個を並べた状態の内腔と外腔にビトリゲルを付加する構造を予定しており、ハイドロキシアパタイトをアーチ状に形成することは可能であることが分かった。しかし、これを等間隔に並べた形態ではビトリゲルシートで挟むことは困難と判明した。更にはハイドロキシアパタイトをアーチ状に形成した場合、凸方向からの外力が加わった際に容易に折れてしまうことが分かった。コレラの結果より、NATVの硬性材料としてはハイドロキシアパタイトは不適であることが判明した。 それに変わる素材の選定を開始した。ある程度の強度と柔軟性を併せ持つ必要があり、研究グループとしてはメッシュ素材のついて検討する方針とした。新たにメッシュを開発することも検討したが、膨大な時間と費用がかかることが想定されたため、既存の製品の中から、強度、柔軟性、メッシュ部分の形状などから3種類を選定した。1つは、柔軟性が有り、メッシュが細かいタイプ、もう一つはやや硬めのメッシュの荒いタイプ、もう一つはやや硬めのメッシュの細かいタイプとした。 NATVの形態を、加工が難しいアーチ状から加工が容易なシート状に変更した。選定したメッシュシートの両面にビトリゲルを付加する研究を行った。メッシュの両面にビトリゲルシートをコラーゲンで接着させる方法を考案し、結果付加は可能であった。 それぞれをTATV typeA,typeB,typeCとした。3種類のNATVの再水和実験を行った。結果、3type共に再水和することが可能であり、その工程ではビトリゲルシートとメッシュが分離することは無かった。 3種類のNATVの構造を評価する目的に、HE染色標本の作製を行い現在固定作業中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年7月より他施設に出向しており、主任研究者が十分な研究時間を確保することが難しかった。また、分担研究者とのやりとりに時間を要してしまった。研究協力者の経験が浅いため、研究の進みが遅くなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
組織学的評価として行ったHE標本を評価する。構造的にメッシュとビトリゲルの接着状況を評価する。電子顕微鏡にて多孔構造を評価する。 3種類のVMをウサギの気管欠損モデルに対して移植実験を行う。欠損部に対して最適な移植方法を評価する。移植した気管を摘出して気管上皮の再生過程を評価する。最終的には3種のVMより理想的なメッシュ材料を決定する。
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより今年度中に購入する予定であった試薬などの購入が来年度になったため
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