2018 Fiscal Year Research-status Report
組織工学的手法を用いた新規人工気管の開発と生理的気管上皮再生機序の解明
Project/Area Number |
17K11393
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
多田 靖宏 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70363760)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 俊明 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (50301297)
川瀬 友貴 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10761968)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 気管食道 / 再生医療 / 気道狭窄 |
Outline of Annual Research Achievements |
下記のA~Cのシリコンメッシュ及びコラーゲンビトリゲルを用いた人工気管モデルを作成した。シリコンメッシュをコラーゲンビトリゲルで挟み込む形とした。A~Cの特徴については以下に記す。A:メディコン社 Bard Mesh15.0×15.0cm (0112720)メッシュは平行で目は細かい、B メディコン社 Bard Soft Mesh 7.5×15.0cm (0117009)、メッシュはひし形で目は粗い、今回の3種のメッシュで一番柔らかい、C ジョンソンエンドジョンソン社 ウルトラプロメッシュ7.6×15cm (UMR3) メッシュはひし形でメッシュの目は粗い、白色・青色のストライプ状のシート状 今回の3種のメッシュで一番硬い。 それぞれのモデルに対しHE染色標本を作製して観察した。染色されるビトリゲルの間にシリコンメッシュが存在しているが、メッシュ自体は染色されないため管腔様に観察されてしまい、材料同士の接着の程度などを含め各モデル間の差異は確認できなかった。 電子顕微鏡での観察を行った。それぞれのモデルにおいて肉眼で確認できるようなメッシュ構造が確認できたが、モデルAに関してはややメッシュの構造が不明瞭な印象があった。モデルの切断面においてメッシュとビトリゲルとの間にずれが生じることから、各材料の接着に関しては強固に接着しているわけではないと思われた。切断面以外の部分に関しては3つのモデルで接着の程度にも有意な差はないと思われた。モデルの硬さに関してはメッシュの硬さに依存するため、いずれのモデルも比較的軟らかい印象があったが、気管への移植を考えた場合の強度を考慮すると、今回のモデルの中ではより硬いモデルCが妥当であると思われた。 次年度は人工気管モデルのウサギの気管への移植実験を予定している
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人工気管の素材選択での検討課題であった組織学的な評価に難渋し、現在は電子顕微鏡所見を評価している最中である。素材選択ができると次の動物移植実験に移行することが可能となる。また、主任研究者が外部病院へ出向中であり、研究に従事する時間が減少したことも関与している。
|
Strategy for Future Research Activity |
人工気管の素材を選定して、その素材での移植用材料を作成することができれば、人工気管の移植術を準備することができると考える。
|
Causes of Carryover |
人工気管の素材選択に時間を要しており、組織学的評価が不十分であった。 動物への移植実験が遅延しており予定していた消耗品出費が無かった。 次年度は遅れている分も含めた動物移植実験を計画している。
|