2018 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部がん微小環境におけるがん幹細胞のEMTを介した浸潤・転移機構の解明
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17K11398
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
太田 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00326323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昭久 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 教授 (60275336)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 微小環境 / 浸潤・転移 / EMT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では頭頸部がんの治療効果の向上のため、がん細胞の浸潤・転移のしくみを解明し、そのしくみを基に浸潤・転移を阻止することを目的としている。 近年、がん細胞を取りまく微小環境の重要性が注目されており、がんの浸潤・転移のしやすさががん細胞自体のみならず、がん細胞と微小環境との相互関係が深く関与していることが分かりつつある。また、がんが浸潤・転移していく過程で、上皮の基底膜や周囲の間質を突き破り増殖していくためにはタンパク質分解酵素が必要であり、特にその浸潤・転移のあらゆる局面においてMatrix metalloproteinase (MMP)が関与していると言われている。 これまでにWntシグナル伝達経路がSnailを介してEMTを誘導することで、MT1-MMPおよびMT2-MMPを活性化させるとともに、がん細胞の浸潤・転移能を獲得させることを見出してきた。さらに、EMTは、がんの浸潤・転移のKey Factorであるとともに、がん幹細胞の重要な制御因子であることが示唆された。 そこで、我々が開発したがんの浸潤・転移モデル実験系などを用いて、がん微小環境において、どのようにしてがん細胞がEMT(Epithelial-Mesenchymal Transition、上皮間葉移行)を誘導するとともにがん幹細胞の活性化を促進し、がんの浸潤・転移を亢進させるかをin vitroおよびin vivoのレベルで分子生物学的手法および独自の浸潤・転移モデルを用いて解明する。今回、頭頸部がん細胞における微小環境下のがん幹細胞の同定とその活性化の解析の結果、微小環境下ではEMTが亢進しており、癌の浸潤能も増強されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予定していた実験計画を概ね遂行できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
頭頸部がん細胞における微小環境下のがん幹細胞の同定とその活性化の解析の結果を考慮して、Wnt/Snailシグナル伝達経路によるがん幹細胞の同定とその活性化のin vivoでの解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は当初計画していたin vitro実験、およびin vivo実験にかかる費用が軽減できたため、次年度使用額が発生した。 次年度は、これまでのin vitro/in vivo 実験とともに新たな細胞機能実験を施行する予定である。
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Research Products
(1 results)