2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel gene therapy for head and neck cancer applying demethylation mechanism
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17K11403
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
金澤 丈治 自治医科大学, 医学部, 教授 (20336374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今吉 正一郎 自治医科大学, 医学部, 助教 (00570186) [Withdrawn]
水上 浩明 自治医科大学, 医学部, 教授 (20311938)
草鹿 元 自治医科大学, 医学部, 教授 (00265258)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / DNAメチル化 / 癌抑制遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌の治療は,現在,外科的治療を中心に放射線治療・化学療法が行われているが,進行例や再発例も多いため十分な治療効果を挙げるに至ってはいない.このため新たな治療法の開発が望まれている.申請者らは,これまで頭頸部癌では多くの癌抑制遺伝子がDNAメチル化によりその機能を抑制されている.この一方で,癌遺伝子はDNAメチル化の影響が少ない.このためゲノムDNAの脱メチル化は強力な癌抑制因子となり得る.Ten-eleven translocation methylcytosine dioxygenase (TET) familyは,DNA脱メチル化を促進する因子であり,TET遺伝子の欠損は小児の骨髄腫や成人の白血病患者の予後不良因子であること,前立腺癌のホルモン治療抵抗性はマイクロRNAを介したTET遺伝子の抑制により引き起こされることなど,様々な悪性腫瘍で癌抑制遺伝子として働くことが知られるようになってきた.更に,癌抑制遺伝子の脱メチル化は,放射線や化学療法に対する感受性を上昇させることが知られている.今回の研究成果は,頭頸部扁平上皮癌におけるTET family およびGALR familyの予後因子としての意義,唾液腺導管癌でのGALR familyのメチル化の頻度,公開データベースを用いてこれらの遺伝子のメチル化頻度と生存率の関連を明らかにした.このため,頭頸部癌でのこれらのDNAメチル化およびDNA脱メチル化機構を解明することは新規遺伝子治療薬の開発を促進および既知の分子標的治療薬や抗癌剤を含めた頭頸部癌化学療法の進歩に大きく寄与するものと考えられる.
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