2020 Fiscal Year Annual Research Report
Predicting the effect of cetuximab on head and neck cancer by liquid biopsy
Project/Area Number |
17K11405
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小柏 靖直 埼玉医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60633956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 政実 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50242508)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | cetuximab / AREG / EREG |
Outline of Annual Research Achievements |
cetuximabは再発・転移頭頸部癌に対する治療薬として、また放射線との併用で頭頸部癌治療に大きな役割を果たしてきたが、治療効果を予測するbiomarkerがないことが大変大きな問題と考えられる。本研究は癌組織や血中のEREG, AREGの発現、FCGR遺伝子多型のcetuximabの効果予測因子としての有用性を検討するために計画した。本研究は多施設共同による臨床試験の付随研究として計画されたが、近年の免疫チェックポイント阻害剤の出現等により症例の登録が予定どおりに進まず、本研究への参加症例数は極めて少ない結果となった。このため、本研究の検討は自施設の37例での解析となった。 本研究では、まずEREG,AREGのRNAをがん組織より抽出し、定量PCRを用いて発現量を決定した。Cetuximab治療後の予後との比較において、PFS, OSともにEREG, AREGの発現量と有意な相関を認めた。多変量解析においてはAREGにおいてPFS,OSともに有意な因子として残った。次に、血中でのEREG, AREG発現を検討するためELISAをおこなった。基礎検討において、血中のEREG, AREGは組織中のmRNAの発現と良好な相関が得られることがわかったが、実際に検討できた症例が3例と少なく統計学的に意味のある検討を行うことができなかった。FCGR遺伝子多型については、FCGR2AとFCGR3Aの解析を複数の実験系を用いて行ったが、とくにFCGR3Aについてはこれまで報告されている日本人の遺伝子多型頻度と比較して相当異なる頻度で検出された。また、検討方法によっても異なる結果となってしまい、患者検体を用いた検討へ進めることは適当でないと判断した。 以上より、がん組織におけるEREG, AREGの発現は頭頸部扁平上皮癌におけるcetuximabの効果と相関があることが明らかになった。
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