2018 Fiscal Year Research-status Report
フマル酸ジメチルの抗酸化作用ならびに免疫調節作用を介した神経保護効果
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17K11449
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
栗本 拓治 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (50388815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 誠 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80273788)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 視神経 / 神経保護 / 網膜神経節細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、フマル酸ジメチル(DMF)、フマル酸者メチル(MMF)を視神経挫滅後、それぞれ連日経口投与、腹腔内投与を行い、挫滅7日後における網膜神経節細胞(RGC)の生存促進効果を検討した。最終的にDMFの投与濃度は、25, 50, 100, 150mg/kg、MMFは25, 50, 100, 200mg/kgとなった。視神経挫滅7日後のRGCの細胞密度は1583±30 mm2まで減少するが、DMF, MMFともに濃度依存性にRGC細胞密度は上昇し、100mg/kg投与時の細胞密度が最も高かった。DMF100mg/kg群では細胞密度は2176±87mm2、MMF100mg/kg群では2043±80mm2となり、両vehicle群と比較し有意に上昇していた。次に、DMF、MMFの最もRGC生存促進効果の得られた濃度(100mg//kg)において、Nrf2の発現変化を免疫組織化学染色、ウエスタンブロッティングを用いて検討した。挫滅7日目において、DMF,MMF投与群ともにNrf2タンパク発現は上昇し、網膜内層においてその発現が亢進していた。さらに、Keap1/Nrf2を介して発現上昇する抗酸化酵素群の一つであるHeme oxygenase-1(HO-1)の発現変化を免疫組織化学染色を用いて検討したところ、DMF, MMF投与群ともに網膜内層を中心に明らかに発現亢進していた。今回の結果より、DMF,MMFの連日投与により、視神経挫滅後のRGCの生存は促進され、その効果は両薬剤ともに100mg/kgであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DMF,MMFの生存促進効果(in vivo)は概ね行えているが、網膜初代培養を用いた実験や抗炎症効果を検討する免疫組織化学染色、フローサイトメトリーがまだ行えていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫組織化学染色、ウエスタンブロッティング、realtime PCRを用いたKeap1/Nrf2関連因子を検討し、緑内障モデルの作成も同時並行で行い、遅れている今年度の実験計画を遂行していきたい。
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Causes of Carryover |
実験の進行具合が予定より遅く、実験消耗品に使用する予定だった助成金が一部残ったため。次年度は、物品費として実験消耗品に使用していく予定である。
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