2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on mechanostress and Hippo-YAP/TAZ signaling in glaucoma pathology
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17K11458
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井上 俊洋 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00317025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷原 秀信 熊本大学, 病院, 病院長 (60217148)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 線維化 / メカニカルストレス / 緑内障 / 結膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト結膜線維芽細胞のTGF-β2感受性に対する線維芽細胞増殖因子(FGF)-2および基質の硬さの影響を調べ、作用の分子メカニズムを検討した。ヒト結膜線維芽細胞をコラーゲンコーティングプラスチックプレートまたはシリコンプレートで培養した。シリコーンプレートの硬さは0.2または64 kPaであった。細胞は、FGF-2(0-100 ng/mL)やTGF-β2(2.5 ng/mL)で24時間または48時間処理された。タンパク質発現レベルは、ウエスタンブロット分析によって決定された。細胞増殖は、WST-8アッセイを使用して評価された。まず、プラスチックプレートのみで実験を行ったところ、FGF-2は、TGF-βによって誘導されるα-平滑筋アクチン(SMA)とI型コラーゲンの発現を抑制し、10 ng/mLの濃度が最も抑制効果が高かった。 これらの抑制効果はFGF受容体阻害剤で消失した。一方で、FGF-2はTGF-βによるフィブロネクチン発現誘導に対しては有意な抑制効果を認めなかった。細胞増殖に対しては、 FGF-2とTGF-β2のいずれも促進したが、両者の効果に相加効果は認めなかった。TGF-β2およびFGF-2はYAPの発現レベルに有意な変化を与えなかったが、いずれもTAZの発現を促進した。次に、シリコンプレートで培養したところ、TGF-βによって誘導されるα-SMAの発現は、プラスチックプレートと比較して抑制された。FGF-2は、柔らかい基層上でもTGF-βによって誘導されるα-SMA発現をさらに抑制した。YAPおよびTAZの発現レベルは、いずれの刺激条件でも、プラスチックプレートとシリコンプレートで有意な差がなかった。YAPおよびTAZは、TGF-β2刺激によって核内移行したが、FGF-2やシリコンプレートはその細胞内局在に影響を与えなかった。
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