2017 Fiscal Year Research-status Report
TGF-βによる水晶体上皮細胞の上皮間葉系移行におけるMRTFの役割
Project/Area Number |
17K11465
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
黒坂 大次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20215099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 公平 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50407095)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水晶体上皮細胞 / TGF-β / MRTF / I型コラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
MRTF-A の核内移行へのMRTF-A 阻害剤CCG-203971 の効果を検討したものでは、ヒト水晶体上皮細胞株であるHLE-B3 においてTGF-βはMRTF-A を核内移行させたが、MRTF-A 阻害剤CCG-203971 は、それを抑制した。 MRTF-A 阻害剤であるCCG-203971 を用いて、ヒト水晶体上皮細胞株であるHLE-B3 におるTGF-β刺激への影響を検討したものでは、TGF-βは、α 平滑筋線維アクチンの発現(α-SMA)、I 型コラーゲン産性を増加させたが、CCG-203971は、この増加を抑制した。 上記のMRTF-A 阻害剤CCG-203971の効果が予想よりも明確に検出されたため、細胞収縮能の検討を次年度に回し、次年度検討予定であったsiRNA によりMRTF-A をknock downさせた際の影響を検討した。 MRTF-A のsiRNA によるknock down の確立を目指したものでは、MRTF-A に選択的なsiRNA を設計し、HLE-B3においてMRTF-A をknock down できることを検証した。このsiRNA によりMRTF-A をknock down させた際のTGF-β 刺激によるHLE-B3 のα-SMA発現、I 型コラーゲン産生の増加に対する影響を検討したが、MRTF-A のknock downによりこれらの増加は有意に抑制された。 これにより、MRTF-A が、水晶体上皮細胞における上皮間葉系移行、I 型コラーゲン産生において重要役割を担っていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
α-SMA発現、I型コラーゲン産生については、MRTF-A 阻害剤CCG-203971の効果が予想よりも明確に検出されたため、細胞収縮能の検討を中止し、次年度検討予定であったsiRNA によりMRTF-A をknock downさせた際の影響を検討できた。
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Strategy for Future Research Activity |
MRTF-A 阻害剤CCG-203971の細胞収縮能への効果を検討するとともに、MRTFは、Rhoとつながって細胞内伝達をすることが知られているので、Rhoの経路をROCK阻害剤を用いて抑制し、その効果を検証したい
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Causes of Carryover |
細胞収縮能の最終検討を次年度に回したため、その分の費用が余剰したが、次年度では新たに動物実験も行うためそれにあてたいと思う
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