2018 Fiscal Year Research-status Report
TGF-βによる水晶体上皮細胞の上皮間葉系移行におけるMRTFの役割
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17K11465
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
黒坂 大次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20215099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 公平 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50407095)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前嚢下白内障 / 水晶体上皮細胞 / 上皮間葉系移行 / ROCK阻害剤 / I型コラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
水晶体上皮細胞(LECs)が上皮間葉系移行(EMT)により、Ⅰ型コラーゲンを主とする細胞外マトリックスが産生され、前嚢下白内障となる。このEMTにはTransforming growth factor (TGF)-βが重要な因子となる。Rho kinase(ROCK)はTGF-βによって誘導されるEMTにおいて重要な役割を果たすが、ROCK阻害剤のLECsにおけるⅠ型コラーゲンの発現への影響は明らかではない。 そこで、培養ヒトLECsにおけるTGF-β2およびROCK阻害剤(Y-27632)のI型コラーゲンの発現への影響を調べた。その結果、TGF-β2は、I型コラーゲンmRNA発現を増加させたが、Y-27632は用量依存的にその増加を阻害した。 次に、in vivoにおける前嚢下白内障形成に対するY-27632の影響を検討した。初めに、紫外線(UVR)-Bによりマウス前嚢下に白濁を誘導したが、免疫組織学的に、同部にはα-平滑筋アクチンおよびI型コラーゲンが発現しており、前嚢下白内障が形成された。このモデルを用いて、Y-27632点眼投与の前嚢下白内障形成に対する影響を調べた。このASC形成はY-27632の1日2回投与により有意に抑制された。 これらの結果より、ROCK阻害剤の点眼投与は前嚢下白内障の形成を予防する可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定のごとく進展している。予想された結果と大きく食い違うこともなく、一部実験に繰り返して確認が必要であったが、ほぼ予定の通りに確認されたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
水晶体上皮細胞のEMTには、MRTF並びにROCK系が重要な働きをしていることが判明した。さらに、MRTFに影響を与える因子を探索していきたい。
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Causes of Carryover |
MRTFに影響を与える因子の同定を進め、動物実験を行っているために、試薬の購入時期が延びたため
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