2019 Fiscal Year Annual Research Report
To explore the pathogenesis of retinitis pigmentosa using the organoid system of a patient-derived iPS cells
Project/Area Number |
17K11466
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠田 肇 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30306766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 洋子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90265885)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 3次元培養 / 治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜色素変性は、徐々に視野欠損が進行して失明に至る遺伝性疾患である。有病率は国内だけでなく全世界的に1:4000-8000人と比較的高いが、これまでに確立された治療法はない。その一因は、ヒト網膜の細胞を採取して研究することは倫理的にできず、さらに採取したとしても解析に充分な量のサンプルを得られないことがある。そこで、本研究では、患者の体細胞から樹立した人工的多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell; iPSC)を用いて網膜3次元培養を行い、網膜色素変性の病態を解析することとし、これを遂行した。すなわち、患者の皮膚や血球といった体細胞から樹立した、患者の遺伝子変異を保持したiPSCを3次元構造を持つ網膜組織オルガノイドに分化誘導し、これを用いた病態解析を行った。本手法は遺伝性疾患や神経変性疾患病態の研究に適している。これを用いて網膜色素変性の病態を解析し、そのメカニズムに介入することで世界初で新規の治療法の開発につなげるための解析を進めた。実際には、視細胞に分化誘導すると蛍光を発するレポーターを、患者由来iPS細胞に導入しておき、分化誘導して得られた視細胞を蛍光を指標にフローサイトメトリーにより回収した。そして、回収した網膜視細胞のサンプルを用いて、リアルタイムPCRなどを用いて変性に関連する分子発現を明らかにした。主に小胞体ストレスに関する分子の動きに着目し、その抑制による視細胞保護効果について解析した。
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