2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanism and treatment strategy to reverse lens opacity
Project/Area Number |
17K11470
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
久保 江理 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10262619)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Peroxiredoxin 6 / 白内障 / Shumiya Cataract Rat / ラノステロール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, Shumiya Cataract Rat (SCR)の白内障発症メカニズムとPeroxiredoxin 6 (Prdx6)による白内障および後発治療薬の可能性を解析しすることである。昨年度までSCRの水晶体上皮細胞(LEC)におけるマイクロアレイ解析を行ったところ、水晶体の恒常性維持に必要な遺伝子発現が減少していることを報告した。よって、SCRの先天的ラノステロール欠損が、これら遺伝子の発現を減少させ白内障を誘発することが明らかとなった。 今年度は、TAT-Prdx6融合蛋白のSUMO化領域を変性させ、抗酸化能を高めた脱SUMO化TAT-PRDX6(SUMO-PRDX6)とラノステロールのEMTへの影響を観察した。 ラット伸展標本培養モデルとGel contraction assayをもちいて、TGFβにより誘導されるEMTの抑制効果を形態観察し、EMTマーカーであるα平滑筋アクチン (αSMA)とF-actinの免疫染色を施行した。TGFβ2 を添加すると、ラットLECにおけるαSMAの発現が上昇し陽性染色像が増加し、F-actin染色でLEC内にストレスファイバー形成が見られた。SUMO-PRDX6を添加すると、αSMAの発現とストレスファイバー形成も抑制されていたが、ラノステロール添加およびコントロールのDMSO添加では、これらの抑制は観察されなかった。 さらにSUMO-PRDX6のSCRの白内障抑制効果を観察するため, 白内障発症前の6週齢(W)SCRを3群に分け、SUMO-PRDX6およびTAT-Prdx6(非脱SUMO化)(WT)を結膜下注射する群、コントロール(注射無し)群で確認すると、SUMO-PRDX6群で有意に水晶体混濁が抑制されていた。これらの結果より、SUMO-PRDX6は、EMTを抑制しSCRの白内障を遅延させることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)