2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of retinal function of LCA-causing CCT2 and the generation of mouse model and therapeutics
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17K11472
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
峯岸 ゆり子 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 分子細胞生物学研究部, 研究員 (20621832)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Leber先天黒内障 / LCA / ノックインマウス / ゲノム編集 / CRISPR-Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISR-Cas9システムによるゲノム編集を用いたLeber先天黒内障(LCA)疾患モデル作製 1)T400Pノックインマウス作製:申請者の先行研究で得られているゼブラフィッシュの表現系をもとに、LCA疾患モデルとしてCct2遺伝子のT400P変異を有するノックインマウスの作製を試みた。C57BL/6J マウスの尾組織片からゲノムを抽出し、マウスCct2遺伝子のT400P目的領域について直接配列を確認したのち、CRISPR-Cas9 ゲノム編集のため、2箇所のgRNA候補配列を選定した。この2箇所のgRNA配列をまたぐドナーオリゴを合成しこれらの試薬をマウス受精卵300個に注入し、仮親に移植したところ、9匹のF0ファウンダーマウスを得た。ファウンダーマウスの尾組織片からゲノムを抽出し、直接配列を確認したところ、9匹中1匹に1塩基欠損によるフレームシフト配列を有するノックアウト様マウスを得ることができた。現在はこのファウンダーからF1世代マウスを得るため、コロニーの維持・拡大飼育を行なっている。 2)R516Hノックインマウス作製:先のT400P当該遺伝子領域でのゲノム編集では変異インパクトが大きくF0世代の産仔数が得られなかった事実を鑑み、CCT2-LCAのもう一つの変異であるR516H変異を有するノックインマウスの作製を試みた。同上の手法で300の受精卵から53匹のF0ファウンダーマウスを獲得し、それら尾組織片から遺伝子配列について確認したところ、2匹にR516H変異を有するノックイン候補ファウンダーを獲得した。他にも欠損フレームシフト変異を有する個体を7匹確認した。現在はR516Hノックインマウスコロニーの維持・拡大飼育を行っており、今後、網膜表現系について詳細な検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書にある通り、初年度でノックインマウスの作製を達成した。今後は得られたマウスの掛け合わせを行ない引数を増やすと同時に、網膜表現系について、ヒトCCT2-LCA病態と照らした解析を行ない、CCT2-LCAの背景にある疾患発祥の根源とその病態進行について明らかにする。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していたCCT2-LCA変異の一つであるT400Pノックインマウスの獲得は当該遺伝子領域における変異インパクトが大きく、またCRISPR-Cas9でゲノム編集するのに至適のPAM配列が目的変異周辺に存在しないことから、2種のgRNAと長鎖DNAオリゴを用いるなどしたものの、T400Pノックインマウス作製の難易度は比較的高いということが判明した。初年度のトライアルではT400Pノックインマウスは獲得不可能であったが、一方R516H変異に対象を切り替えることでノックインマウスの獲得に成功することができた。副産物的に生じるノックアウス様マウスの樹立も丁寧に行い、今後、Cct2の網膜機能とそれに関連した疾患発症について解析を続けてゆく。
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Causes of Carryover |
理由:ゲノム編集によるノックインマウス作製で目的変異を有する個体の出生率が悪く次年度にリトライする可能性を加味し、一部を繰り越すこととした。
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Research Products
(3 results)