2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of retinal function of LCA-causing CCT2 and the generation of mouse model and therapeutics
Project/Area Number |
17K11472
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
峯岸 ゆり子 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター プロテオミクス解析グループ, 研究員 (20621832)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Leber先天性黒内障(LCA) / 網膜変性 / 遺伝子変異 / 複合ヘテロ接合変異 / CRISPR-Cas9 / ゲノム編集 / モデル動物 / CCT |
Outline of Annual Research Achievements |
Leber先天性黒内障(LCA)原因遺伝子であるCct2遺伝子上において、400番目アミノ酸をコードする遺伝子領域周辺における変異導入は発生に対する影響が大きく、F0世代の産仔数が非常に少なくなる傾向があり、目的遺伝子変異が導入された個体が周産期に致死となることなどを前年度までに認めていた。そこで最終年度はゲノム編集に用いるガイドRNA量とドナーDNA量を減らし、変異導入効率を敢えて下げることでT400Pノックインマウスの作製を試みた。その結果、得られた産仔数は依然として少なかったものの、ヒト患者が有するCCT2の400番目アミノ酸のチロシンがプロリンにアミノ酸置換した変異と相同なT400Pノックインマウス(F0世代)の獲得に成功した。またこのF0マウスは成体まで生育し繁殖可能で、野生型マウスを掛け合わせることでT400P変異を有するF1世代のマウスを得ることにも成功した。また先行して樹立が完了していたCCT2のR516Hノックインマウスのヘテロ個体同士の掛け合わせで得られた産仔からは、明らかな体重変化や異常所見など、顕著なマクロ所見を認めなかったものの、10ヶ月齢のR516H/R516Hホモ個体でのみ非常に重篤な網膜変性が起きていることがOCT観察により明らかとなった。さらなる検討から、R516H/R516Hホモ個体では生後早期より視細胞内のミトコンドリアを豊富に含む領域を示すellipsoid zoneの退縮が認められ、視細胞外節が初期に変性し、その後も網膜が萎縮し続けることで視機能障害が惹起されている可能性が強く示唆された。これは先天性疾患であるLCA患者における視機能障害所見と酷似しており、LCAの特徴的な病態を反映していたことから、本研究のゲノム編集で得られたマウスがLCAモデルマウスとして有用であることが示唆された。
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