2018 Fiscal Year Research-status Report
Time course of retinal blood flow in diabetic pigs
Project/Area Number |
17K11473
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長岡 泰司 日本大学, 医学部, 准教授 (00333691)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子改変糖尿病ブタを飼育し、血糖値が400を超える糖尿病を発症することを確認した。生後1ヶ月から全身麻酔下での眼底検査を開始した。ブタ用に改良されたレーザースペックル血流計(LSFG)を用いて、ブタの眼底血流を測定できるようになった。これにより、非侵襲的かつ経時的にブタの網膜血流を測定することが可能となった。さらに血流の変化に加えて網膜機能の変化を捉えるために、ブタの網膜電位図Retevetを導入し、安定して網膜電位図の測定が可能であることを確認できた。さらには光干渉断層計OCTを用いたin vivo検査を施行できるようになった。 これまでに遺伝子改変糖尿病ブタを3頭飼育し、予定どおりの検査を施行している。生後3ヶ月で白内障が発症して眼底検査や血流測定が困難となったため、白内障手術を施行して眼底の透見性の確保を試みた。予想以上に白内障手術後の炎症反応が強く、眼底検査が難しいこともあるが、ヘパリンを投与するなどして炎症反応を軽減させて、眼底の透見性の確保に成功した。 現在生後5ヶ月の時点で、屠殺後の眼球を組織学的に解析し、網膜毛細血管網の消失が認められており、網膜症早期病変に類似した所見と考えている。また、LSFGを用いて眼底血流を測定すると、生後1.5ヶ月では正常ブタとの差は明らかではなかった。同じ区Retevetを用いた検討でも糖尿病ブタと正常ブタとの間に明らかな差はなかった。今後は経過観察期間を延長させて、経時的な網膜組織の変化と網膜血流および網膜機能の変化を経時的に評価したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変糖尿病ブタを飼育し、血糖値が400を超える糖尿病を発症することを確認した。生後1ヶ月から全身麻酔下での眼底検査を開始した。ブタ用に改良されたレーザースペックル血流計(LSFG)を用いて、ブタの眼底血流を測定できるようになった。これにより、非侵襲的かつ経時的にブタの網膜血流を測定することが可能となった。さらに血流の変化に加えて網膜機能の変化を捉えるために、ブタの網膜電位図Retevetを導入し、安定して網膜電位図の測定が可能であることを確認できた。さらには光干渉断層計OCTを用いたin vivo検査を施行できるようになった。 これまでに遺伝子改変糖尿病ブタを3頭飼育し、予定どおりの検査を施行している。生後3ヶ月で白内障が発症して眼底検査や血流測定が困難となったため、白内障手術を施行して眼底の透見性の確保を試みた。予想以上に白内障手術後の炎症反応が強く、眼底検査が難しいこともあるが、ヘパリンを投与するなどして炎症反応を軽減させて、眼底の透見性の確保に成功した。 現在生後5ヶ月の時点で、屠殺後の眼球を組織学的に解析し、網膜毛細血管網の消失が認められており、網膜症早期病変に類似した所見と考えている。また、LSFGを用いて眼底血流を測定すると、生後1.5ヶ月では正常ブタとの差は明らかではなかった。同じ区Retevetを用いた検討でも糖尿病ブタと正常ブタとの間に明らかな差はなかった。今後は経過観察期間を延長させて、経時的な網膜組織の変化と網膜血流および網膜機能の変化を経時的に評価したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ブタの眼血流測定、網膜電位図、眼底検査はおおむね順調にできている。 今後は遺伝子改変糖尿病ブタをさらに4頭購入、飼育して、糖尿病網膜症の発症・進展をさらに詳しく評価したいと考えている。 白内障手術後の炎症反応もおおむね克服できており、今後さらに詳細な検討が可能と考えている。 血流検査に関しては、通常の検査のみでは微細な血管障害を捉えることは簡単ではないため、高酸素吸入などの負荷試験を行い、網膜循環の反応性について詳細に検討したいと考えている。蛍光眼底造影検査に関しては、動物用に改良された眼底カメラを入手して、より精度の高い眼底評価を目指したいと考えている。
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