2019 Fiscal Year Annual Research Report
Time course of retinal blood flow in diabetic pigs
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17K11473
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長岡 泰司 日本大学, 医学部, 准教授 (00333691)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 網膜循環 / 微小血管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、遺伝子改変糖尿病ブタを実験動物とし、レーザースペックル血流計を用いて、糖尿病における網膜循環動態の経時的評価を試みた。さらにERGのよる網膜神経活動、OCTによる網膜神経線維厚の経時的変化とともに、特に網膜神経-血管-グリアネットワークおよび血管内皮機能に着目した負荷試験による網膜血管機能評価を非侵襲的かつ定量的評価を試みた。本研究の現時点で得られた実績を以下に示す。 1)ブタを用いた眼血流実験系の確立:ブタ用に改良されたレーザースペックル血流計(LSFG)を用いて、全身麻酔下でブタ網膜血流を良好な再現性を持って定量的に測定可能であることが確認された。さらに低酸素負荷による網膜血流低下反応を非侵襲的かつ定量的に評価できることが確認された。 2)遺伝子改変糖尿病ブタの長期経過観察:遺伝子改変糖尿病ブタを当大学実験施設で飼育し、定期的に上記項目について検査を施行した。生後3ヶ月までは安定した検査が施行でき、糖尿病網膜症様眼底所見の確認に加えて網膜循環障害も引き起こされている可能性が示唆された。一方、糖尿病による白内障が進行するためそれ以降の眼底観察は困難となり、白内障手術を施行して眼底透見性を確保しようとしたが、術後炎症が強く、それ以上の経過観察が現時点では完遂できていない。引き続き手術手技の改良に努め、当初の目標どおり、網膜循環動態を経時的に評価して網膜症発症への関与を明らかにすべく研究を継続している。 3)糖尿病ブタ網膜の組織学的検討:生後3-12ヶ月で屠殺された糖尿病ブタの眼球を摘出し、網膜を組織学的に検討した。生後3ヶ月からすでに検眼鏡では明かではない網膜毛細血管の閉塞や微小血管構築の異常が引き起こされていることを確認しており、さらに頭数を増やして検討を進めている。
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