2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K11481
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 幸次 鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 大 鳥取大学, 医学部, 准教授 (30346358)
佐々木 慎一 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30745849)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細菌 / real-time PCR / 単純ヘルペスウイルス / 水痘帯状疱疹ウイルス / サイトメガロウイルス / ステロイド / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
感染性角膜炎臨床例の病巣における起因微生物の量的把握を行っているが、その中で細菌性角膜炎の治療期間に菌量、菌種、臨床的背景がいかに影響するかを多変量解析により、real-time PCRの診断寄与についてreceiver operating characteristic(ROC)解析により検討した。 方法としては、細菌性角膜炎と確定診断し、16S ribosomal DNA (16S rDNA) real-time PCR 及びシークエンスを施行した112例を対象とし、コックス比例ハザードモデルを用いて治療期間に影響を与える因子を検討した。また、細菌性でないものも含めた272例でROC解析を行った。 その結果、112例中、培養では黄色ブドウ球菌が17例と最も多く検出され、次いでコリネバクテリウム12例であった。シークエンスではモラクセラが13例と最も多く、次いで緑膿菌6例であった。16S r-DNA量、培養あるいはシークエンスでの緑膿菌の検出の有無が治療期間を有意に延長させるリスク因子であった(p<0.05)。初診時の抗菌薬使用は、16S r-DNA量を有意に低下させたが、治癒期間への影響は認められなかった。モラクセラの検出の有無、培養とシークエンスの検出菌の一致性は治療期間に影響を与えなかった。ROC解析では16S rDNA real-time PCR は0.67のarea under the curve (AUC)を示し、培養と組み合わせると0.81のAUCを示した。 抗菌薬の使用の有無に関わらず、16S rDNAをターゲットとするreal-time PCRおよびシークエンスは細菌性角膜炎の起因菌の推定および治療抵抗性の予測に有用であることが示された。 細菌性角膜炎、ヘルペス性角膜炎関連のステロイド使用の影響についての臨床研究は症例エントリー中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例のエントリーは少しずつ進んではいるが、少ない。
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Strategy for Future Research Activity |
細菌性角膜炎患者は必ず病巣擦過物のRNAを検索するプロトコールであったことがむしろ制約となっていたので、これをオプションとし、経時的に涙液を取るだけでもよいプロトコールに変更し、エントリーしやすくする。
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Research Products
(20 results)