2018 Fiscal Year Research-status Report
アルドステロンによる網膜神経節細胞死のメカニズムの解明
Project/Area Number |
17K11483
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
廣岡 一行 広島大学, 病院(医), 特任准教授 (10325350)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | アルドステロン / 視神経乳頭血流 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】アルドステロン全身投与が正常ラット眼の視神経乳頭血流に及す影響を検討すること。 【対象と方法】視神経乳頭血流はLSFG Micro(ソフトケア)を用いて血流速度の指標であるMean blur rate (MBR)値を視神経乳頭周囲(直径1.37mmの領域)で測定し、血管領域(MV)と組織領域(MT)に分けて評価した。20週齢ラットを用い、血圧と脈拍測定(BP98A)後に腹腔内麻酔を行い、直後に右眼を散瞳し麻酔後20分でLSFGと眼圧(TonolabTV02)測定を行った。その後、浸透圧ポンプを皮下に埋め込み80 μg/kg/dayでアルドステロン持続投与を行った。埋め込み後1、2、4週目に各測定を同様に行った(N=7)。測定項目の経時変化を一般化線形混合モデルで解析した。 【結果】眼圧、血圧、眼灌流圧と脈拍には経過中に有意な変化はみられなかった。MVとMTはベースラインと比べて1週後はMV: -0.7±3.9% (周辺平均±標準誤差)、MT: -1.6±6.9%、2週後はMV: -14.4±3.7%、MT: -19.7±7.7%、4週後はMV: -25.2±6.6%、MT: -14.5±10.9%であり、ベースラインと比べてMVは2、4週後 (ともにp<0.001)、MTは2週後 (p=0.01) に有意に低下した。 【結論】アルドステロン全身投与は正常ラット眼で視神経乳頭周囲の血流を低下させる可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に研究は進んでおり、またその成果を学会でも報告した。現在論文を執筆しているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
アルドステロンを全身投与することにより、視神経乳頭の血流が低下することが明らかになった。この視神経乳頭の血流低下と神経節細胞死の関連を今後明らかにする予定である。
|
Causes of Carryover |
国際学会の参加が年度末であったため、使用できなかった。 パソコンが故障したため、翌年度の研究費で購入予定である。
|
Research Products
(3 results)