2017 Fiscal Year Research-status Report
網羅的RNA解析をもちいた杆体細胞錐体細胞分化機構の解明
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17K11494
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 知子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80598756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 登 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40235982)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医学 / 網膜視細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにマウス ES細胞とiPS細胞から安定した株化網膜前駆細胞を樹立して報告した。典型的な細胞株は視細胞前駆細胞としての性質を持ち杆体視細胞と錐体視細胞へと分化する能力を持つ。ここでは発生に関わる事がよく知られたケモカインSDF1とその受容体が視細胞分化に重要に関わることが従来のPCR法や免疫染色法で明らかになった。この分化機構を転写因子レベルとエピジェネティック調節のレベルで詳細に解析するため次世代シークエンサーを用いて検討を開始した。 種々の濃度のSDF1を添加して培養後、6時間と24時間に細胞株を回収した。mRNAを回収後、次世代シークエンサーを用いて各細胞の全転写パターンを分析した。特定のメッセージは杆体視細胞への分化では関与しており、逆に錐体視細胞への分化では当該メッセージが発現しないことを見出した。同様に一部のメッセージは錐体視細胞への分化には関与するものの、杆体視細胞への分化では当該メッセージが発現しないことを見出した。 これらのメッセージ発現が杆体視細胞と錐体視細胞へとの分化の段階で一義的、あるいは原因的な役割を果たすのか、あるいは細胞分化に伴い二次的に出現するのか、その検討を行っている。 既にこれらの情報に基づき眼組織でのそれらの蛋白の役割を免疫組織染色で解析している。これらの Bioinformaticな解析により神経節細胞や視細胞の分子レベルでの関連を、さらに眼発生の分子機構の理解が可能になると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網膜前駆細胞から良質のmRNAの回収を行った。既に次世代シークエンサーを用いた全RNA解析は順調に終了した。現在、候補として同定されたメッセージの発現を専用の解析ソフトを用いてin silicoでの検討と共に組織学的にも検討するべく抗体等の入手を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
我々は、すでにいくつかの興味深いmRNAを同定しているが、それらは数がやや多く、ランダムに詳細な解析をおこなっている。 今後はそれぞれの遺伝子の視細胞分化における役割をin vitro、in silicoのみでなく、正常マウスさらに、KOマウスを視野に入れて解析を続ける。
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Causes of Carryover |
研究は非常に良好な形で進行している。 ことに良質なmRNAを種々の細胞株から回収できたため、次世代シークエンサーでの解析の回数を当初の想定より減らす事が出来た。そのため高価な次世代シークエンサー試薬の購入が減り実験そのものに関わる人件費も相応に減らす事が出来た。
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Research Products
(1 results)