2017 Fiscal Year Research-status Report
臍帯由来幹細胞の腸管神経再生によるヒルシュスプルング病の新たな治療戦略
Project/Area Number |
17K11520
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山高 篤行 順天堂大学, 医学部, 教授 (40200703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 克 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 技術員 (00420844)
藤原 なほ 順天堂大学, 医学部, 助教 (20589543)
岡和田 学 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (60433778)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 臍帯由来幹細胞 / ヒルシュスプルング病 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、再生医療・細胞治療における臍帯由来幹細胞はその多分化能や免疫調節能から再生医療における有用な資源として知られている。採取が容易であることや倫理的問題がほとんどなく、移植時の安全性の点でも優れ、また後天的な遺伝子発現変異が少ないことからも、小児医療への臨床応用が期待される。しかし、臨床研究につながるような基礎研究の報告はまだ少数である。H病はHirschsprung病(以下H病)は、出生児5000人に1人の頻度で発生し、小児外科領域における最も代表的な機能性腸閉塞疾患であり、腸管運動障害を呈する神経堤症の一つとして知られている。腸管神経運動を司る脊髄神経の障害の際には同時に排尿機能も障害されることが多く、膀胱機能の不可逆的な傷害に対しての臍帯血由来細胞の移植・生着に着目した。今年度において我々は神経系が直接観察できるSox10-VENUSトランスジェニックマウスを使用し、このマウスから採取した臍帯血を、虚血型膀胱損傷モデルマウスでの神経再生過程を以下のように観察、検討した。マウス膀胱にドライアイスで冷却した金属棒を押し当て、主に膀胱平滑筋層に傷害を与えた凍結傷害膀胱モデルを用いた。このモデルにSox10-VENUSトランスジェニックマウスから採取した臍帯血を尾静脈に静注。15日後に蛍光実体顕微鏡を用いた観察において、損傷部付近へのSOX10-VENUSの発現を認めた。一方で正常マウスへも静注を行ったが、発現は認められなかった。このことより、傷害部位への臍帯血由来幹細胞の移植が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は臍帯血の採取の手技の確立などに時間がかかり、本来目的としている腸管神経への分化誘導までは至らなかった。しかし、膀胱損傷モデルマウスへの移植の可能性があきらかになったことから、腸管神経損傷または無神経部位への移植・生着・分化への期待が高まる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度行った膀胱損傷マウスへの移植実験の個体数を増やし再現性を観察するとともに、移植部位への生着の確認を病理学的手法を用いて解析する。これにより臍帯血由来幹細胞の採取手技の習得も期待される。 同時に、本来の予定である腸管神経への分化誘導もすすめていき、H病モデルマウスへの移植実験を進める予定である。
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[Presentation] HIRSCHSPRUNG’S DISEASE IN THE LAPAROSCOPIC TRANSANAL PULL-THROUGH ERA. DOES AGE AT SURGERY INFLUENCE POSTOPERATIVE BOWEL FUNCTION?2017
Author(s)
G. Miyano, M. Takeda, N. Nakazawa-Tanaka, T. Doi, H. Koga, M. Okawada, J. Ishii, G.J. Lane, T. Okazaki, M. Urao, A. Yamataka
Organizer
30thINTERNATIONAL SYMPOSIUM ON PEDIATRIC SURGICAL RESEARCH, AND AN UPDATE ON NEWBORN AND FETAL SURGERY
Int'l Joint Research
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