2018 Fiscal Year Research-status Report
血管柄付き立体再生臓器モデルの作成と灌流培養法の確立
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17K11532
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯田 拓也 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00398603)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人工皮弁 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の実験で行った脂肪由来幹細胞(adipose-derived stem cell:ASC)の単離・培養及び人工骨への播種に引き続いて、これを3次元人工骨皮弁とするために動物を用いた埋入実験を行った。 まず、採取した脂肪からASCを取り出して培養したのち、人工骨(βーTCPオスフェリオン、気孔率75%、直径5㎜、長さ10㎜の円柱状)に播種してさらに培養した。こうして作成したASC播種済人工骨をヌードラット(SPF F344/Njcl-nu/nu)鼠径部に埋入し、周囲の筋膜で被覆することで人工骨の皮弁モデルを作成した。 顕微鏡下にラット鼠径部に切開を置き、大腿動静脈から浅下腹壁動静脈にかけて剥離した。この血管に接するように、ASC播種済人工骨を平行に配置し、さらに血管新生を促進するため周囲の筋膜弁を9-0 nylonにて縫合することで完全にASC播種済人工骨を埋包した。この後、8週間待機し、ASC播種済人工骨への血管の進入が十分進んだと思われるころ、血管柄付き骨皮弁として挙上する実験を行った。 当初の実験では、移植骨がラットに比べて想定以上に大きかったために、筋膜弁での被覆以前に埋入自体が困難であったり、感染症によりヌードラットが8週生育しない等の問題が生じたが、実験動物のサイズ(生後週数4週から8週に変更)、手術手技(皮下→筋膜下)、術後の抗生剤(バイトリル)投与等により対応できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工骨と幹細胞を用いた人工皮弁の形成がラットモデルを用いて徐々に実現化しつつある。 今後、この作成した皮弁が通常の皮弁と比べて同等の性質を有するか評価を行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、皮弁化した人工骨の評価を行っていく予定である。マイクロCTにて骨形成(ミネラルデンシティ等)の評価を行ったり、また免疫組織化学染色等により血管形成や細胞生着率などの評価を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
次年度に作成した組織の評価を行うのと、成果発表を行う予定のため
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