2017 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療後の皮膚線維化・瘢痕化障害に対する治療法の開発
Project/Area Number |
17K11536
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菱田 雅之 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50790143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 譲 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
高成 啓介 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (80378190)
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
内堀 貴文 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30625760)
中村 優 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (00739724)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線障害 / 線維化 / ピリフェニドン |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的)晩発性放射線皮膚障害として照射後線維化・瘢痕化がある。過度の細胞外基質やコラーゲンの増加が原因であり、それら線維化を抑制できれば、放射線潰瘍といった難治性潰瘍を防ぐことができると考える。本研究では放射線皮膚障害モデルを用いて、肺線維症治療薬ピルフェニドン(ピレスパ:商品名)に、皮膚線維化抑制効果があるか解明を進める。 (材料・方法)まずは放射線皮膚障害モデルを作るため、8週齢ルイスラット(体重250~300g)20匹使用した。X線照射装置は、MBR-1520R-3を用いて、厚さ3㎜の鉛に直径2cmの穴を開け遮蔽板とし、ラットの背部に3か所それぞれ10Gy・15Gy・20G放射線を照射した。照射後3・4・5・6日目にメチルセルロース溶液に溶かしたピリフェニドン(ラット経胃用のゾンデを用いて100mg/kg/日)を投与した。そして、7日目・10日目に組織を採取し、H-E染色とマッソン・トリクローム染色にて組織学的に評価した。 (結果)コントロール群の1匹以外全て照射後14日以内に死亡した。投与群・コントロール群共に脊椎が円背となり、口の周りに皮膚潰瘍を形成した。放射線照射部の毛の伸びは、照射後7日目まで投与群とコントロール群は肉眼的にも組織学的にも差が無かった。しかし照射後10日目は投与群において、皮膚附属器の再生が見られ、特に10Gyでは組織学的に正常に近い皮膚附属器の再生が見られた。
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