2017 Fiscal Year Research-status Report
傷害表皮に遊走する骨髄細胞の機能解析および皮膚難治性潰瘍に対する新規治療法の開発
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17K11537
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岡野 純子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50447968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 秀人 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00225434)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 表皮 / 皮膚 / 骨髄細胞 / 放射線照射 / 難治性潰瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
傷害された表皮に特異的に遊走する骨髄細胞を効率的に回収し、遺伝子発現解析を試みた。まず、GFPでラベルした骨髄細胞を、10 Gy放射線照射した野生型マウスに移植した骨髄移植マウス(GFP>C57BLマウス)を作成し、骨髄細胞が傷害表皮に遊走する現象を経時的に解析した。その結果、骨髄移植後3ヶ月が一番安定して骨髄細胞が表皮に遊走することがわかった。次に、GFPのみのマーカーでは、表皮へ遊走する細胞の特異性に乏しいため、他のマーカーを探索した。免疫染色の結果、MHCIIおよびCD207を発現していることがわかった。しかし、CD207は固定して細胞内染色を行わないと染まらないため、生きた細胞を回収してその後遺伝子解析を行うという本研究の目的にはそぐわない。よって、CD207の代わりに細胞表面を染色するCD326を選択したところ、CD207との相関が得られたので、GFP+MHCII+CD326+の細胞を回収することに決定した。この細胞群の比較として、GFP-MHCII+CD326+を回収することにした。 GFP+MHCII+CD326+細胞は、表皮細胞浮遊液全体の0.1-0.2%とわずかなため、通常使用されるマウス耳介表皮のみでは、遺伝子解析に必要な細胞数を回収できないことがわかった。そのため、マウス皮膚を背部、腹部含め体表全体から採取し、表皮のみを回収する実験の最適化を行った。その結果、解析に必要な骨髄細胞を回収することが可能になり、現在、傷害された表皮に遊走する骨髄細胞の網羅的遺伝子解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で標的とする細胞は非常に少ないため、解析に可能な細胞数を安定して回収するプロトコルを確立するのに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、標的細胞の網羅的遺伝子解析を行っているので、その結果が得られ次第、傷害された表皮に骨髄細胞が遊走するための重要な遺伝子経路の候補を絞っていく。
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Causes of Carryover |
傷害された表皮に遊走する骨髄細胞は、極めて少数の細胞集団のため、解析に必要な骨髄細胞を表皮から回収するプロトコルを確立するのに時間を要した。
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Research Products
(15 results)