2017 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性足潰瘍を非侵襲的に予防する理学療法処方の構築
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17K11538
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤井 美樹 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (80444602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
前重 伯壮 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90617838)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病足病変 / 足底圧 / 理学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者における下肢切断は、患者の社会生活を奪うため予防されなければならない。その原因となる足部潰瘍を適切に予防・管理するために、歩行時の異常な足底圧を管理することが求められており、本研究ではそのための理学療法処方指針の検討を進めている。 糖尿病患者において足関節背屈運動が制限されていること、それに伴って歩行時の足底圧が高値であることが確認された。そして、糖尿病患者における足関節背屈可動域の改善に対しては、荷重下ストレッチングが有効であることが明らかになった。さらに、荷重下ストレッチングによる足関節背屈可動域の改善が歩行時の足底圧を減少させることが、糖尿病患者で確認された。 理学療法の処方内容の検討と並行して、理学療法の処方時期を検討するべく、後方視的解析を行った。その結果、糖尿病足潰瘍を有する患者では、立位運動を含む積極的リハビリテーションを入院後早期に行うことによって、歩行維持率が有意に高くなることが明らかになった。また、早期の積極的リハビリテーションの実施は、創傷治癒率に影響を与えないことも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖尿病患者の足潰瘍の予防・管理のための理学療法処方指針について、処方内容および処方時期に関する統計学的に有意な結果が初年度から得られることができた。処方内容については、今年度はストレッチングの必要性およびその有効性を確認することができた。理学療法処方時期については、入院後早期が妥当であることがわかった。これらは、当該分野で初めて明らかにされたことであり、また本研究課題の計画に沿った進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病患者に対する電気刺激療法の効果についての検討を進める。健常者にて前脛骨筋群への電気刺激が歩行時の足底圧を減少させることが明らかにされているため、糖尿病患者においても前脛骨筋刺激によって歩行時の足底圧が減少するかどうかを検討する。また、ストレッチングや電気刺激による足底圧減少作用と、患者の病態、機能障害の関連性を検討し、理学療法処方の最適化を目指す。
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Causes of Carryover |
当初予定していた以上に、足底圧等の患者の機能評価が首尾よく行えたため、予備的検討に必要と想定していた消耗品が減少した。次年度はより多くの患者を解析することを計画しているため、その患者の測定に用いる消耗品費に充てる。
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Research Products
(31 results)