2018 Fiscal Year Research-status Report
XVIII型コラーゲンの機能解析から皮膚創傷治癒への応用に向けた基礎研究
Project/Area Number |
17K11540
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
米澤 朋子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30304299)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 俊孝 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50194262)
稲川 喜一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90268615)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 皮膚 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は創傷後の表皮形成に重要な細胞外マトリックスの役割を調べ、治癒を促す分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。細胞外マトリックスを構成する成分は質的にも量的にも治癒過程で変化することが知られており、その変化は治癒に有効あるいは不利な細胞外環境を作ることで細胞の応答を制御すると考えられる。我々は創傷部の周囲にスプリントを取り付けることによって、治癒の過程を再現性良く詳細な解析が可能となるマウス創傷治癒モデルを作製した。モデルの確立には過去の論文を参考にしたが、いくつかの改良を加えた。この皮膚創傷治癒モデルマウスを用いた予備実験から、再生する表皮の先端部にかなり早期に出現する細胞外マトリックス成分に着目した。早期に発現が確認されたコラーゲンは、これまでの様々な研究から特徴的な分子構造を持ち多機能性が示唆されているが、皮膚創傷治癒での役割については十分に解明されていない。その役割として、我々は表皮細胞の移動の制御や細胞外マトリックスの再構築、サイトカインの作用制御を想定している。平成30年度は着目したコラーゲンについて改良型マウス皮膚創傷治癒モデルにおける発現解析を行った。光学顕微鏡・電子顕微鏡を用いた組織学的解析、免疫組織染色法やRT-PCR法による解析結果については論文発表を行った。また、着目したコラーゲンの遺伝子欠損マウスを用いてその遺伝子の機能解析を行って興味深い結果を得ており、現在も進行中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に計画した研究内容については論文発表を行った。平成30年度に計画した内容については現在も進行中であるが、興味深い結果を得ており、おおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は計画通りの研究内容を進める予定である。ただし平成31年度の研究計画に加え、平成30年度の研究計画も継続して行う。
|
Causes of Carryover |
平成30年度に計画していた作用機序に関する解析が継続中のため。
|
Research Products
(6 results)