2019 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織由来幹細胞による放射線照射リンパ管内皮細胞に対するリンパ管新生効果の検討
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17K11543
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉本 浩 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (90513309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 正雄 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (90751230) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リンパ管再生 / リンパ管内皮細胞 / 脂肪組織由来幹細胞 / 放射線照射 / 塩基性線維芽細胞成長因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト皮膚リンパ管内皮細胞(HDLEC)とガンマ線を照射あるいは照射していないヒト脂肪組織由来幹細胞(ADSC)を共培養してHDLECの細胞増殖能、遊走能、管腔形成能を解析した。ADSCとの共培養や馴化培地を用いた培養はHDLECの単独培養と比較して、放射線照射HDLECの増殖、遊走および管腔形成能を促進した。ガンマ線を照射した照射ADSCとの共培養が、非照射ADSCとの共培養よりHDLECの細胞増殖能をより促進した。次に各種線量のガンマ線をADSCに照射して、培地中へ放出される細胞増殖因子を測定し解析し、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、血管内皮増殖因子-A(VEGF-A)、VEGF-C、肝細胞増殖因子などの各種リンパ管成長因子が分泌されることを確認した。これら成長因子の中でもbFGFの発現はガンマー線照射によて増強し、その発現量が照射線量に依存して増加することも見出した。 これらの結果からADSCからの分泌因子がリンパ管新生促進効果に関与していると考えられた。照射したADSCからbFGFの発現が増加しているが、bFGFはリンパ管内皮細胞の増殖促進やリンパ管新生において最も重要な因子とされるVEGF-Cを活性化していると考えられ、本研究により、放射線治療による四肢の二次性リンパ浮腫に対してADSCを用いた治療戦略が有効である基盤原理が証明された。 これらの結果は、Plastic and Reconstructive Surgery (Journal of the American Society of Plastic Surgeons)に2019年6月号に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroの実験は終了し、論文投稿し掲載されているが、リンパ浮腫動物モデルへの脂肪組織由来幹細胞の投与と効果の検討が、実験責任者が多忙のためにまだ実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ浮腫動物モデルへの脂肪組織由来幹細胞の投与を放射線照射前と動物モデル作成直後に行い、効果を比較検討する。
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Causes of Carryover |
実験責任者が忙しく、次年度使用額が生じた。次年度はリンパ浮腫動物モデルに脂肪組織由来幹細胞を投与して解析するが、当該助成金は動物の購入費や飼育費および細胞培養経費などに使用する。
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Research Products
(1 results)