2017 Fiscal Year Research-status Report
原発性リンパ浮腫患者に対する新たな治療法の開発(サイトカインを標的とした治療)
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17K11544
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三上 太郎 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90315804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
涌井 広道 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10587330)
矢吹 雄一郎 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30610357)
前川 二郎 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70244449)
吉見 竜介 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70585265)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 原発性リンパ浮腫 / 続発性リンパ浮腫 / 論文化 / preliminary report |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度においては、2017年度のうちに臨床の場から得られた組織検体の「「病理組織学的検討結果」をもとに、preliminary report の形での論文化を行った(現在進行形)。 本研究の最終目的は(1)原発性リンパ腫発症メカニズムの仮説提唱をすること と (2)原発性リンパ浮腫に対する新たな治療法としての Factor X 阻害薬の効果を検討すること である。ここで、(2)については(1)がある程度の認知、認証を得ていることが前提となる。このためまず、2017年度は(1)に注力し、論文として世に認められることを目標とした。 具体的には、対照として続発性リンパ浮腫患者から得られた組織検体を、原発性患者からの組織検体と同様に各種染色(通常のヘマトキシリン-エオジン染色のほかに、各種サイトカインや炎症マーカーに対する免疫組織化学的染色を含む)で処理し、それぞれの組織学的な共通点と差異を検討した。この結果、Factor X については原発性リンパ浮腫に有意に組織内沈着を認めたが、これ以外については明らかな有意差が認められなかった。以上の結果より、原発性リンパ浮腫の発症に関する Factor X の関与機序などを考察および報告し、「原発性リンパ浮腫発症のメカニズムの仮説提唱」を行うこととした。 一方、(2)については、(1)の結果や成果をもとに当院の倫理委員会を通過させるための研究計画書などを作成した。この計画書は2018年4月より施行となる、いわゆる「臨床研究法」に合致するものとなるよう、当院および大学の各機関と調整をしつつ遂行が必要になるものと推定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当病院の倫理委員会で臨床研究計画書を通過させるにあたり必要な、説得力のある根拠としての上記のごとき論文化されたデータが不足している状態であった。このため、論文化を一部前倒しする形で、得られた組織検体からの考察を論文化し、倫理委員会からの承認を得る方向へ若干の方向修整を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、preliminary report の形での一次論文提出とこれによる論拠の作成をもとに臨床研究計画を作成し、研究計画が当院の臨床研究に関する倫理委員会を通過した後は、予定通りに臨床研究を遂行する方針である。
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Causes of Carryover |
2017年度(平成29年度)の進捗が予定より若干遅れており、発表を目的とした各種学会への参加出席(旅費など)やその準備に充当するための人件費や謝金などが予定より少なくなった。このため2017年度では不使用となった資財が生じた。しかしながら今後研究の進行に伴い、各種学会への、主として発表を目的とした参加による出張費の計上や、データ整理および資料・論文作成などに伴う人件費や謝金の計上がでてくる可能性が高く、次年度使用額として申請する次第です。
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