2018 Fiscal Year Research-status Report
難治性創傷治療におけるナノテクノロジーを活用した次世代生体材料の実用化
Project/Area Number |
17K11546
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
市岡 滋 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60306272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
治癒が困難な難治性創傷のマネージメントにおいて、再生医療の成果が期待されている。再生医療の3大要素は細胞、シグナル分子、scaffoldと言われる。その中でscaffoldは細胞が増殖・進展する足場となる生体材料(バイオマテリアル)であり、優れた生体適合性・分解性、変形能、細胞接着性が求められる。これを実現する技術の一つが微細構造を創生するナノテクノロジーである。本研究ではナノテクノロジーを活用した高性能scaffoldに抗菌性や酸素供給能を付加した次世代生体材料の実用化を目指し、これまでにin vivoにおける生体材料の機能比較を行った。 成長因子製剤、scaffold、酸素補充療法、抗菌剤は現在の創傷治療において強力なツールだが、その実施にはそれぞれのプロダクトを各臨床家の手間で別々に適用する必要があり煩雑である。本研究ではこれらの機能をall in oneに統合した次世代生体材料の開発を目指す。 酸素供給機能、抗菌作用については光を照射することにより触媒作用を示す光触媒(酸化チタン)を利用する。酸化チタンに光があたると価電子帯の電子が伝導帯に励起され強い酸化還元作用を示す。その結果水から酸素を発生させることができる。またフリーラジカルも出現し抗菌作用を呈する。この性質は有機化合物や細菌などの有害物質を除去できる環境浄化材料として工業的に利用されている。この研究では光照射条件やスカベンジャーを検討して生体に対して至適に酸素供給・抗菌作用を発揮できる条件を探る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床業務が多忙のため若干の遅れが生じる
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Strategy for Future Research Activity |
臨床、研究の時間配分を調整する。研究協力者への依頼も検討する。
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Causes of Carryover |
研究対象となっている技術と競合する製品が承認され、研究計画を変更したため。
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