2019 Fiscal Year Annual Research Report
The roles of immune cells in the process of wound healing
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17K11548
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
菅 浩隆 杏林大学, 医学部, 講師 (60633972)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
CD206陽性マクロファージが線維化の主体である線維芽細胞に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。先行研究に基づき、ヒト末梢血から分離した単核球を温度応答性デッシュで継代培養することにより、CD206陽性マクロファージを得た。続いて、CD206陽性マクロファージと線維芽細胞を共通の培地で培養する共培養システムを確立させた。72時間の共培養後に線維芽細胞からRNAを抽出し、線維化関連遺伝子の解析を行った。さらに、培養上清に含まれるサイトカインの解析を行うことにより、両細胞の相互作用に関与する因子の解明を試みた。CD206陽性マクロファージと線維芽細胞の共培養下においては、線維化を促進する因子であるcol1、col3、αSMA、CTGF、TGF-βの発現は単独培養(対照群)と比較して低下していた。一方で、コラーゲン分解酵素であるmatrix metalloproteinase-1(MMP-1)の発現は上昇していた。共培養下の培養上清では対照群と比較し有意にinterleukin-6(IL-6)の濃度が上昇していた(419 ± 88pg/ml)。線維芽細胞にIL-6を単独で投与して72時間培養し遺伝子解析を行ったところ、MMP-1の発現は上昇し、col1、col3、αSMA、CTGF、TGF-βの発現が減少しており、共培養を行ったときの変化とほぼ同様の結果となった。CD206陽性マクロファージはIL-6の分泌を介して、線維芽細胞に対して抗線維化作用を有していることが明らかになった。この結果は、創傷治癒過程における線維化制御のメカニズム解明の一助になり、ケロイドや肥厚瘢痕の新たな治療に結びつく可能性があると考えられた。以上の研究結果を英文誌Plastic and Reconstructive Surgeryに投稿した。
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Research Products
(2 results)