2019 Fiscal Year Research-status Report
3次元画像解析とプロジェクションマッピングを用いた乳房再建手術支援システムの開発
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17K11549
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
矢野 智之 公益財団法人がん研究会, 有明病院 形成外科, 部長 (40537304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒船 龍彦 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (50376597)
鷲尾 利克 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40358370)
水野 博司 順天堂大学, 医学部, 教授 (80343606)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乳房再建 / プロジェクションマッピング / 乳癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院での倫理委員会が通過できた後より、現時点で4症例において、3次元画像取得、術中に得られた3次元データを処理し左右乳房の差分データとし、これを2次元投影画像に変換した後に、プロジェクターを用いて患者体表に投影可能かどうか、検証する観察研究が実施できている。この中で、データの取得から、差分画像取得、投影画像への変換が、一連の処理として20-30分で行えており、これは回数を経ることでソフトウエアの改善が進んでいる。投影については、プロジェクターによる投影が実施可能であることがわかり、現在はより差分表示としてわかりやすい色変化のパターンについて検討と実施を行っている。さらに、プロジェクターの画質、解像度によっても得られる情報のわかりやすさに影響することがわかり、より体表投影に適したプロジェクターの検討へと進んでいる。今後はさらに症例数を増やし、英文論文化し雑誌Plastic and Reconstrucrive Surgeryへの投稿、2021年度日本形成外科学会や2021年ASRM (American Society for Reconstructive Microsurgery)での学会発表を予定している。一方、本研究は次のステップとして実際に本研究のシステムで患者の乳房形態やボリューム調整を行い、より対称性のある乳房再建が得られるかどうか、特定臨床研究法にのっとった臨床研究に進む予定である。さらに、2020年度AMEDにおける医療分野研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)に応募済みであり、審査結果待ちとなっている。本研究を生かし、次の研究開発ステップに向けた形で具体的に動いている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当院倫理委員会通過後に、現時点で4症例に対して、本研究の3次元画像採取、データ解析、プロジェクターを用いた投影の実行可能性について臨床の現場で検討を行っている。毎回、問題点、改善点が明らかになり、その結果をもとに少しずつだが、システム、実験手順の改善を行っている。2月半ばよりコロナウイルスの影響で実験の遂行がストップしてしまっているが、当院において当院の出口戦略基準がだされ、恐らくは7月ころには実験再開可能となるために、予定症例が実施可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究を発展させる形で2つの方向性を検討している。1つは、実際に本研究で得られるデータを実際の患者さんの再建手術に応用する方向である。今までは観察研究として、プロジェクションマッピングのための3次元データの採取、データを体表に照射するためのデータ処理および変換、プロジェクターを用いて体表に投影可能かという実行可能性を検討してきた。次にこれを介入研究として、実際に投影して得られた再建乳房の左右差の投影画像をもとに、再建乳房の形状、ボリュームを調整するというフェーズである。これは特定臨床研究法案に則って行うために当施設での倫理審査ができないために、他施設の認定臨床研究審査委員会にかけた後に実施とする。もう一つが、本研究をステップアップするために、AMEDなどの次の段階の公的資金獲得にすすむ方向である。実際に、本年度のAMEDの医療分野研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)に応募済みである。
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Causes of Carryover |
本年度は特定臨床研究法に則って研究を実施する可能性があり、当院では認定臨床研究審査委員会がなく、他施設で申請を出す予定である。その際に50-70万円程度の審査料が発生する見込みであり、それを見越して次年度使用額が発生する形としておいた。その他に、論文化に際しての英文校正代金、投稿費用として使用する予定である。
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