2020 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of keloid progression
Project/Area Number |
17K11551
|
Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
權太 浩一 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (50254925)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 尚世 帝京大学, 医学部, 講師 (10444085)
五来 克也 帝京大学, 医学部, 講師 (40524773)
青井 則之 帝京大学, 医学部, 講師 (70431872)
小室 裕造 帝京大学, 医学部, 教授 (90306928)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ケロイド / 創傷治癒 / ブドウ糖 / 血糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
創傷治癒過程における異常現象としてのケロイド進展・増悪を、細胞内の転写・スプライシング段階での異常と仮定し、分子レベルでの異常を検知するためにNIH3T3細胞株を使ってEDA-FN(fibronectinの変異体)の発現やスプライシング制御を調べた。しかし、真正ケロイド由来の線維芽細胞の供与を患者から十分に受けられなかったこともあって、ケロイド現象そのものとEDA-FNの発現・スプライシング異常との関係は、十分に明らかにすることはできなかった。しかし、研究の過程において、組織や培養細胞におけるブドウ糖消費と、創傷治癒現象との予想外の関連が見出された。これは、皮弁移植などの創傷治癒が起こる際に、組織は供給されるブドウ糖の量が通常量である場合に比べ、ブドウ糖の供給量が多くなると消費を増やし、供給量が少ないとその消費を抑える、という現象であり、この結果、組織の血行遮断を行って組織血管床内のブドウ糖の低下プロファイルを測定すると、全身血糖が高くても低くても、組織内のブドウ糖濃度が一定レベル以下まで低下するのに要した時間は同等であった。つまり、組織(そして恐らくは細胞も)細胞外ブドウ糖濃度の変動に反応してブドウ糖需要を調節している、という仮説が成り立つ。研究者は、この現象を動物実験によるマクロ現象として発見し、再現性をもって証明した(Takeuchi K et al. Plast Reconstr Surg 144;409e, 2019)。現在、本研究課題に引き続いて、この現象を培養細胞レベル(NIH-3T3線維芽細胞株、3T3-L1脂肪細胞株)で再現し、その分子メカニズムを追っている。
|
Research Products
(2 results)