2019 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of acute ethanol intoxication for NETs formation
Project/Area Number |
17K11585
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
粕田 承吾 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70434941)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急性アルコール中毒 / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き、 エタノールがneutrophil extracellulara traps (NETs)の産生・放出に与える影響を検討している。今年度は、エタノールがNETs産生に及ぼす時間的影響について検討した。 NETsは好中球から放出されるDNAやヒストンを主体とした網状構造体であり、最近をトラップする一方で過剰な放出は血栓形成や血管内皮細胞傷害を引き起こし、生体に有害な作用を及ぼすと考えられている。NETsの産生には細胞内のReactive Oxygen Species (ROS)の産生増大が必須である。また、NETs放出にはヒストンのシトルリン化(Cit-H3)が必須である。 [in vitro] ROSの産生は好中球をphorbol-12myristate-13-acetate (PMA)で刺激後わずが1時間で上昇させた。エタノール(0, 25, 50, 100 mM)の添加によりROSの産生はエタノール濃度依存性にさらに増大した。しかし、4時間後にはPMAによるROS産生は持続しているものの、エタノール添加による増強効果は認められなくなった。上清中のcell-free DNA (cfDNA)は刺激後1時間で、PMAによって産生量が増加していたが、エタノール添加による産生量の変化は認められなかった。しかし、4時間後にはcfDNAの産生はエタノールにより増強されていた。 [in vivo] 急性アルコール中毒モデルマウスにcecal ligation and puncture (CLP)法を用いて腹膜炎性敗血症を惹起し、血漿中のCit-H3を測定したところ、CLP4時間後でも8時間後でもアルコール非投与群と比較して上昇していることが確認できた。 アルコールはNETs産生の初期部分に作用してNETsの産生を増大させ、その効果は長く持続することが示唆された。
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