2018 Fiscal Year Research-status Report
The prevention and therapeutic effects of hydrogen on acute kidney injury due to ischemia -reperfusion injury
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17K11587
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
根木 茂雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20208284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 隆 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (30187348)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急性腎障害 / 虚血再灌流 / 水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血再灌流(IRI)起因の急性腎障害(AKI)に対する水素の予防効果を検討する研究において、平成29年度はそのモデル作成時の麻酔についてイソフルランが腎障害軽減作用があると報告があるため、それを検証するための実験を行った。IRI起因のAKIモデルに対してイソフルランと3種混合麻酔(塩酸メデトミジン, ミタゾラム, 酒石酸ブトルファノール)を使用した結果3種混合麻酔には腎障害軽減効果がないとの結果が得られた。平成30年度はモデル確立させるためWistar 8~10週齢ラットを用い, 右腎を切除後に左腎動脈の阻血(50分)後再灌流させIRI起因のAKIラットを作成して再度麻酔をイソフルラン群と3種混合麻酔群に分類(各群 n=5)して, 阻血前, IRI後24時間, 48時間後, 72時間後に採血を施行した。しかしながら、前年とは異なり、Cの上昇の程度はイソフルラン群と3種混合群ではピーク値(48時間後)に有意差がなく(イソフルラン群 0.9± 0.25 mg/dL, 3種混合麻酔群 0.84± 0.23mg/dL p=0.753), BUNも同様に有意差を認めなかった。(イソフルラン群 39.2± 7.7mg/dL, 3種混合麻酔群 38.1± 14.4mg/dL p=0.531)。以上の結果よりIRI起因のAKIに対する水素の予防効果を検討する研究において当初の予定どおり、イソフルラン麻酔にて行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度の予備実験ではイソフルランの腎障害の軽減効果が認められると考えられたため、その効果を認めない3種混合麻酔を使用して水素の軽減効果を検討する実験を行うこととしたが、追試した結果イソフルランの軽減効果はイソフルラン麻酔に使用した生理食塩水(腹腔内投与; 3種混合が液体であったため、それに相当する量を使用した。)による腎障害軽減効果であると判明した。したがって、今後は当初の予定どおり、イソフルランを使用して実験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
麻酔に関しては当初の予定通りイソフルラン麻酔を使用して施行する。Wistar 8~10週齢のラットを使用して水素のIRI起因するAKIに対する軽減効果を検討する。これまでの予備実験より阻血は50分が適切であると考えられ、また水素吸入に関してはIRI直後1~3時間では効果がない、と判明しており、水素の吸入に関してはIRI処置前2時間~IRI後3時間の計5時間吸入のプロトコールにて実施する。水素吸入群と水素吸入させない群に分け、右腎摘出後+IRI 50分にてAKIモデルを作成して水素の軽減効果を検討する。
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Causes of Carryover |
まだ本来の水素を使用した実験まで施行できていない状況であるため、差額が生じた結果となった。平成31年には本来の目的である水素の腎障害軽減効果を検討する実験を行う予定である。
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