2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of C4d deposition on RBC surface in cardiac arrest
Project/Area Number |
17K11600
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
室谷 卓 関西医科大学, 医学部, 講師 (20528434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍬方 安行 関西医科大学, 医学部, 教授 (50273678)
池側 均 関西医科大学, 医学部, 准教授 (80379198)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 赤血球 / 心停止 / 補体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は重症患者の赤血球を用いてその表面上に沈着する補体成分を測定し、数値化するものである。補体成分の蓄積量は患者本人の免疫反応に起因するものであり、傷病の重症度を反映する可能性がある。心肺停止患者で蓄積量の多いものが存在し、病態や変化との関連を明らかにする目的がある。心停止患者のRBC上に補体沈着が多いであろうと予想されることに着目し、特に他の重症疾患と比較した。 研究データを整理し、対象症例を見直した結果、令和元年度までに測定可能であった心肺停止患者の検体は13例で入院後の補体成分の経時的変化の測定ができた症例は見られなかった。心停止以外の疾患群に対しても同時に測定を行っており。来院患者全体での補体沈着を測定した結果も得た。コントロールとして健常成人の赤血球補体成分の測定も行い、健常成人との比較も行った。 心停止例の患者背景は全13例で平均年齢は79歳で5例(38%)が男性であった。全例心肺蘇生を行われている症例で、心停止から採血までの平均時間は37分であった。他疾患も含めた心停止群と健康成人との多群比較において心停止群と健康成人群で有意差が認められ、心停止例において補体の活性化が起こっていることが推測された。一時的にでも心拍再開の得られた症例は8例あったが心拍再開群の方がC4dの沈着量が多いという傾向は得られなかった。また、心停止の原因となった疾患は急性心不全(急性心筋梗塞、心不全)3例、大動脈解離2例、呼吸不全(肺炎、低酸素血症)3名などが認められたが、疾患別でのC4dの沈着量の差は見られなかった。発症から受診(採血)までの時間が長い方がC4dの沈着が多いと予想されたが残念ながらその傾向は見られなかった。
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