2017 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of tooth development based on mechanosensor
Project/Area Number |
17K11616
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 裕子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70380706)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清島 保 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20264054)
城戸 瑞穂 佐賀大学, 医学部, 教授 (60253457)
永田 健吾 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90189134)
藤井 慎介 九州大学, 大学病院, 助教 (60452786)
長谷川 佳那 九州大学, 歯学研究院, 助教 (30793989)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 歯胚 / 発生 / メカノセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス歯胚発生過程の下顎第1臼歯歯胚におけるPiezo1 mRNAと Piezo2 mRNAの発現様式をin situ hybridization法を用いて検索した。その結果、Piezo1 mRNAは胎生期の蕾状期歯胚で、主に上皮に強く発現を認め、帽状期歯胚では上皮のサービカルループに強く発現し、鐘状期になると内エナメル上皮に発現を認めた。一方、Piezo2 mRNAは胎生期の蕾状期、帽状期、鐘状期の歯胚において、上皮だけでなく間葉に強く発現を認めた。また、生後の基質形成期や歯冠形成期では、Piezo1 mRNAとPiezo2 mRNA共に、歯冠部の基質を形成しているエナメル芽細胞と象牙芽細胞に発現していた。さらに、歯根形成期になると、両因子は歯根部の基質を形成している象牙芽細胞に発現を認めた。 次にマウス歯原性上皮細胞株mDE6細胞とマウス歯髄間葉細胞株mDP細胞における両因子の発現量を real time PCR 法を用いて比較検討した。その結果、Piezo1 mRNAは歯髄間葉細胞株よりも歯原性上皮細胞株に有意に発現が多く認められた。一方、Piezo2 mRNAは歯原性上皮細胞株よりも歯髄間葉細胞株で発現が多く認められたものの、発現量は両細胞株で少なかった。 これらの結果から、Piezo1 mRNAとPiezo2 mRNAは、歯胚の形態形成において時期特異的に異なる発現パターンを示し、上皮と間葉において発現量が異なることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的は、歯胚発生過程におけるメカノセンサーPiezo1とPiezo2の発現様式と分子調節機構および機能を解析し、両因子の比較検討を行い、Piezo1とPiezo2 が歯の上皮間葉相互作用や歯の形態形成にどのように関わっているか明らかにすることである。そのために、Piezo1とPiezo2のmRNAの発現様式の検索を行い、マウス歯原性上皮細胞株mDE6細胞とマウス歯髄間葉細胞株mDP細胞における両因子の発現量を比較検討した。これらの結果から、Piezo1とPiezo2は歯胚の形態形成において時期特異的に異なる発現パターンを示した。尚、蛋白の発現についても今後検討する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の予定は、Piezo1はin vivo 実験で歯胚の上皮細胞に発現を強く認め、in vitro 実験でmDE6細胞で有意に発現が多かったことから、mDE6細胞におけるPiezo1の発現抑制効果の検討を行う。具体的には、細胞増殖や基質分化マーカー発現への影響を検討する。また、歯胚の器官培養を行い、Piezo1の発現抑制による歯胚形成への影響を組織形態学的におよび分子生物学的に検討を行う。
|
Causes of Carryover |
マウス歯胚発生過程の下顎第1臼歯歯胚におけるPiezo1 と Piezo2 のmRNAの発現様式をin situ hybridization法を用いて検索したが、蛋白の発現様式についても検討する予定であったが、間に合わず行えなかった。そのため、抗体購入ができず次年度使用額が生じた。 したがって、2018年度に抗体等を購入しマウス歯胚発生過程の下顎第1臼歯歯胚におけるPiezo1 と Piezo2 の蛋白の発現様式を検討する。
|
Research Products
(3 results)