2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of regulation for lipid metabolism by osteocyte producing molecules
Project/Area Number |
17K11637
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田村 正人 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (30236757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 潔美 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (90399973)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨細胞 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,骨細胞が産生し分泌する分子が脂肪組織や脂質代謝に及ぼす影響とその詳細な分子機序を明らかにし,骨組織と脂肪組織の異種組織間の恒常性維持のための機能的なクロストークを明らかにすることを目的とした。今年度はまずSLRP (small leucine rich proteoglycan) class IIに分類されるオステオアドへリンの発現を各種培養細胞を用いて検討した。MC3T3-E1細胞(骨芽細胞),C2C12細胞(筋芽細胞),3T3-L1細胞(脂肪細胞),ST2 細胞(骨髄間質細胞)bEnd.3細胞(血管内皮細胞)およびMLO-Y4細胞(骨細胞)を培養後,RT-PCR法を用いて調べた。オステオアドへリンはMC3T3-E1 細胞およびMLO-Y4細胞に発現していた。MC3T3-E1細胞のオステオアドへリン発現レベルは1週間培養後から増加し3週間後には更に増加した。BMP2は骨芽細胞への分化を誘導することが知られている。そこで,C2C12細胞における BMP2添加による発現レベルを調べた。添加したBMP2の濃度依存的にオステオアドへリン発現レベルは増加した。マウスオステオアドへリン遺伝子のプロモーター領域1.7kbをクローニングしルシフェラーゼレポーターpOmd-Lucを作成した。このレポーターをC2C12 細胞にトランスフェクトし,ルシフェラーゼアッセイを行った。BMP2 の添加および Smad1/4発現プラスミドの導入によって,ルシフェラーゼ活性が増加した。これらより,オステオアドへリン遺伝子の転写開始点上流に Smad1/4応答領域の存在が考えられた。本年度得られた結果から,骨細胞において脂質代謝に影響を及ぼす分子の産生がプロテオグリカンによって調節され,脂肪組織における脂質代謝に影響を及ぼしていることが示唆されるという新たな知見を得ることができた。
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